ぼくがテンプラになったワケ - 4
人類でない人造人間が、人類との間に子を為せるのだから、当然、人類以外の生物との間にも同じことができる。
ぼくは人造人間と人類の間に生まれた子の末裔と、海老との間に生まれた子供だ。
父方のご先祖が人造人間と人類。母方はみんな海老。
「古来、海老はテンプラにされるものなのじゃ」
と長老は言った。
長老はこの集落で最も高齢で、純血の人間が生きていた時代も知っている。
そういう時代に生まれていたというだけで、実際に純血の人間に会ったことがある、というわけでは無いのだけど。
「でも長老、ぼくは純血の海老じゃありませんよ」
「海老の血が流れておれば、海老じゃろう」
そうかなあ、と首を傾げる。
ぼくの、海老らしく長いヒゲが、長老にぶつかる。ごめんなさい。
「でも、長老の理屈だと、人間の血が流れていれば人間だと言うことになってしまいますよ」
「それは勿論、人間じゃろう」
そうなのか。
なら、ぼくは人間で、人造人間で、海老ということになるのだろうか。
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