ぼくがテンプラになったワケ - 3

既に滅びに対して達観していた人類は、「人類が滅んでも、君たちはがんばってね」なんて呑気にアンドロイド達を応援していたのだけれど――。


ここで一つ、若干の問題が発生する。


人造人間アンドロイド男性と人類女性の間では、特に問題なく生殖が可能だったのだ。

理論的に可能であろうと、当時の人類全体の気風として、既にそれを望まない者が大半だった。

それでも、人類の中には、人類の遺伝子を後世に伝えたいと願う者がいた。


彼ら、彼女らは、人類女性から人造人間男性への好意を高めるべく、様々な種類の人造人間を開発した。


例えば背が高い、低い、身体が細い、太い、筋肉質。

外見年齢が十代で固定される、二十代、三十代、四十代、五十代……。

髪や肌の色も色とりどり。耳がとがっていたり、ヒゲが濃かったり。

背中に翼があったり、猫の様な耳と尾が生えていたり、腕が六本あったり。


たまたまその姿が趣味に刺さった人類女性が、人造人間男性との間に子孫を反映させた。

人類女性と人造人間男性の間の子供は、男女の別なく、問題なく繁殖行動を行えた。


いつしか、全ての人類の末裔は、人造人間の末裔となっていた。

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