第25話 帰還2

【帰還2】


 辺境泊邸の庭に出ていた。

 チャリ、バイク、バギーを出した。


 「ルーカス殿、これは一体何ですかのう?」

 移動の手段ですね、まあ、機械で走る馬みたいな物です。

 「誰でも乗れるのかね?」


 「そうですね、こちらのバギーだと比較的簡単ですが、バイクの方だと、こちらの自転車に乗れないと乗るのは難しいかも知れませんね。」

 「こちらは動力がなく自分の足でこぐ必要があります。」

 

 「ちょっと乗ってみますね。」

 「俺はバイクの方にガソリンを入れて始動してみる。」

 セルで簡単に始動した、うん、調子は良いみたいだ・・・

 

 「結構な音がしますなぁ・・」

 「そうですねぇ、こちらのは音がする物はあまりないようですからねぇ・・」

 ちょっと走ってみる、うん、調子は良いみたいだ、やっぱりオフ車にしたのは正解だったな、まあ、街道だけなら案外デユアルパーパスでも行けそうだな。

 60km位出してみたのだが侯爵はかなりの速度に驚いていた。


 「随分、加速がいいものなだ・・・」

 「そうですね、道さえ良ければあの速度で何時間も走れますよ。」

 「おおっ、それは素晴らしい。」

 

 今度はバギーの方に乗ってみる、以外に乗りやすいが燃費がどれくらい行くかは心配だなぁ・・・取り敢えず燃費が判らないうちに王都に行くのはちょっと不安かなぁ・・・バイクだったら地味に走れば25ぐらいは行くかも・・・あぁ、超低速で走ることになるから燃費はもっと悪いだろうなぁ20切るかも知れないなぁ・・

 バギーだと12~15位とみるべきか?

 

 侯爵がバギーに乗ってみたそうにしてるので勧めてみる。

 「お、おう、もちろん、教えて貰えるか?」

 

 走り出す時はこのレバーを、急に押すと危ないのでゆっくり押して下さい。止まる時はレバーを握れば止まります、ま、走って見て下さい。

 

 侯爵は乗って走ってりだして遊んでる間に125の方も試乗していると奈津が250の方に乗って追いかけてきた、あれ、乗れたんだぁ・・・

 

 「奈津、バイク乗れたんだぁ」

 「知らなかったの?、あたしは普通2輪をもっているわ。」

 奈津はちょっと自慢げに話している

 

 「へぇ、知らなかったなぁ、知ってたら一緒にツーリングとか行けたのにな・・・」

 「うーん、バイクのことは内緒にしてたからねぇ・・・」

 (実は正が好きだから免許を取ったの、でも美恵子に悪いから邪魔したくないからやっぱり話すことが出来ずに一人で走ったりしてバカ見たいって思ってたけど、その内に楽しくなったから結果的には良かったんだけど。.)

 

 バイクで戻ってみるとメイドのジェシカがママチャリを乗り回してた。

 特に教えた訳では無いのに見よう見まねで乗り回していた。

 

 「これって便利ですよねぇ・・・これ使って良いですか?」

 「はい、良いですよ!

 殆ど練習もせずに乗れるジェシカはそうとバランス感覚が良い様だ

 

 「ルーカス殿、儂のにも乗れますかな?」

 「乗れると覆いますけど練習は必要ですよ、子供だと大抵1日で乗れる様になります、大人だと2日から1週間と行った処でしょう」

 「この自転車が乗れる様になるとバイクも乗れる様になりますよ。」

 

 「さて、そろそろいいかな?、ソフィーの話を聞いてくるとしよう。」

 「あっ、侯爵、今回もいろんな種類のグラスを用意してますので後でリビングに出しておきますね。」

 「あぁ、楽しみにしておくよ。!!」

 侯爵はソフィーの話を聞くために部屋へと向かっていった。

 

 ♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪

 

 □■□ ソフィーの場合 □■□

 

 ソフィーの買ってきた物をソフィーの生みの親であるオレリー第2侯爵夫人が興味一杯といった感じでみている。


 服を取り出してみて驚いている、見たことも無い生地でもの凄く細かな糸で編んであるために非常に滑らかな仕上がりになっている、縫製も手縫いでは無いので均一でしっかりと縫製されているのをみて、うらやましがっている。


 「ソフィー、あなた、自分だけこんなに買ってお母様に買って帰ろうとは思わなかったの?」

 オレリーはうらやましさでソフィーに当たっていた。..

 「お母様、こちらのスカーフはお母様へとおもって買ってきました。。」

 「あら、嬉しいわぁ・・・なんと素敵な色なんでそう、この赤色なんてこっちではまず見ない色よね。

 

 「こっちはなに?、あっ、それは下着なので恥ずかしいです。」

 「親子なんだから良いじゃ無い、」

 オレリーは抵抗を示しているソフィーを無視して袋を開ける。


 「うぁー素敵な色、レースね、あら、これは紐が無いの?、それに幾らソフィー用でも少し小さいのでは?」


 「お母様これはゴムという物で紐は使わなくてもずれないのです、麻みたいにごわつきはないし穿き心地は凄く良いですよ、歩いてもあそこが痛くなったりもしないです。」

 「あなた、今付けてるの?、服脱いで見せて・・・」


 オレリーはソフィーの服を強引に脱がしに掛かった。

 もちろん、そこにはエロはない、女としても意識がそうさせているのだった。

 

 「あ、だめですわ、お母様、行けません、止めて下さい。」

 「変なこと、言ってんじゃ無いわよ、ほら、さっさと脱ぎなさい。」


 ソフィーは来ていたワンピースを強引にまくり上げられたため茶巾崩しの様な状態に陥っていた。

 

 「お母様、お待ち下さい。一旦下ろして背中のファスナーを下ろさないと脱げません。」

 「ファスナー、どれ、どれ、あら、これかしら?」

 「はい、つまみの部分を持って下に下ろして下さい。」

 オレリーはファスナーを下へ引っ張ると滑らかに下りると供に背中が開いていくのだった。

 

 オレリーはソフィーの下着姿を見て絶句した・・・

 「綺麗・・・ソフィー綺麗よ、あなたこんなに素敵だったの」

 見違える体型、そして下着の今まで見たことも無い様なカラフルな色、あぁ、わたしもこんな下着を着けたいわ。

 

 「おかあさま、下着のおかげですわ、このブラジャーは胸のかたちを崩れるのを防ぐだけで無くより良い形に見せる様にする下着ですよ。」

 

 「ショーツもとっても穿き心地が良いですわ、他にもお尻を持ち上げるタイプなんかもあるのですが、奈津様に私は必要ないと言われましたの。」

 

 「ソフィー私にも分けて頂戴。」

 「ショーツは2,3枚なら分けてあげても良いですよ、ブラはサイズが合わないので無理です。」

 

 「えーそんなソフィーのケチ、まだあるんでしょ、」

 「ありますけど、色もかたちも違うので被ってるのは2,3枚しか無いんです。」

 

 「何枚有るの?、20数枚です。じゃ、もっとよこしなさいよ、」

 「駄目です、ルーカス様が私のために買って下さった下着ですからお母様にあげたら不義理になってしまいます。」


 オレリーとしてはそう言われると返す言葉が無かった。

 (でも、この子ったらこんな性格だったからしら?、女同士でも引っ込み思案でなかなかなかよく馴れないのに男性に下着を買ってもらう?、あり得ないことだわ。私でも侯爵が買ってくれると言われてもはずかしいのに・・・)

 

 「お母様これはどうですか?」

 ソフィーが着替えた下着は薄いブルーの3/4カップオーソドックスのブラに刺繍が豪華にされている、お揃いのショーツはこちらも刺繍がふんだんにされててかなりの部分が透けている。

 

 「に、似合うわよ、でもちょっと大人びているかしら成人してからでもいいと思うわ」

 オレリーは13歳の娘とは思えない妖艶さに思わず、喉をならすのだった、この子がこんな下着を選ぶなんて・・・

 

 「えへっ、これはルーカス様に選んで頂いたんです、とっても似合ってると言って貰えました。」

 「え、えぇーーーっ、着てるところをルーカス殿に見せたの?」

 

 「はい、私から無理を言って選んで貰ったので試着してちゃんと見て貰うのは当然でしょ。」


 「絶句・・・・」

 何なのこの子、以前に貴族の子息が来た時はわたしの後ろに隠れてろくに挨拶も出来なかったくせに行き成り下着を選んでもらったですって、信じられないわ。

 

 「ねぇ、ソフィー、あなたエリック殿から何か言われたの?」

 

 「何かと言いますと?、どんなことでしょう。」

 「たとえばお付き合いをしたいとか、好きだとかそんな事よ!」

 

 「ぽっ・・・そんな事、言われたら私、どうにかなってしまいそうです、お母様」

 「あ、可愛いね、とは言われましたよ。ポッ・・・」

 ソフィーは顔を赤くして俯きながら話してる。

 

 (可愛いぐらいはお世辞として言うでしょう、完全に勘違いしてるわこの子、今まで免疫が無かった分だけ一気に走っちゃったのかしら?、あぁ、彼が何とも思ってないって判ったらこの子は傷つくわ・・・可哀想なソフィー)

 

 オレリーは自分の娘だけに頭を抱え込んでしまった。

 この子は思い込んだら一直線だからどうしたら良いか主人と相談しなきゃ・・・

 その前に本人に確認しておいた方が良いわね。

 でも、いままではこんな事無かったのに、今回に限って初対面でどうして・・・

 

 「ねぇ、ソフィー、後でルーカスををあたしに紹介して繰れるかしら?」

 「はい、後で良ければルーカス様のお時間を聞いて調整しますわ?、でもどうしてですの?」

 

 「えっ、そりゃ、私もこんな服や下着は欲しいし・・・ルーカスくんに直接お願いして私も連れて行ってもらおうと思って・・・」


 嘘じゃ無いわよ、それも本当だし、でも、一番気になるのはルーカスがソフィーをどう思っているのかどうかよね、それを確認して主人と相談しなきゃ・・・

 3女とは言え、立派な公爵家の娘だから平民にはやれないわ。

 

 「おかあさま、それは難しいとおもいます。向こうの世界に連れて行くには色々と条件があるんです、それをクリアしないと行けないのでお母様では無理です。」

 

 

 

 「コン、コン」

 「入っていいかい?」

 侯爵がソフィーの話を聞きに来た。


 「ちょっと待って下さい・・」

 二人はベッドやテーブルに放り出された下着や洋服を慌ててかたづけた。

 お父様に見られたら恥ずかしくて死んじゃうわ・・・

 

 服を片付け終わってから侯爵の入室を許可した。..

 

 「ソフィー、ルーカス殿の事で話を聞きたくてね」

 オレリーはさっきから違和感があった、貴族の子息でも無いルーカスを侯爵が殿を付けているのか不思議だったのだ・・・

 

 「はい、お父様、お話しします。」

 そう言うとソフィーはルーカスに関して眷属化のことも全て話した。もちろん、自分が眷属化を希望しているのを含めて・・・

 

 「えーーっ、半神、神の使徒、異世界の人間・・・・・」

 オレリーは驚いて倒れ込んだ・・・

 神、使徒・・・いせかい・・・・うーん

 

 暫くしてオレリーがリカバリーしてきた・・・

 「あ、あなた知ってたの?」

 「いや・・」

 「その割には驚いていないじゃない・・・」

 「いぜん、彼がフェンリルの姿で来た時に怪しいと思ったから教会に連れて行ったんだ・・・攻めて邪悪な物で無いかどうかだけでも確かめるためにね・・

  そしたら女神様が降臨されてこの者の身元を知ることはならんと直に啓示を受けた。

  それを考えたらただ者で無いぐらい想像は付いていたよ。

 「そんな経緯があったのね」

 

 「私はルーカス様の眷属になります。例えお父様とお母様が反対してもなります。」

 「ルーカス殿はソフィーの場合は俺の賛成が無ければ駄目だと言ったのだろう。」

 

 「はい、それでもなります、15歳になればお父様の許可が無くても成れますから」

 「私ははじめてお会いした時に感じたのです、この方に付いて行かねばならないと、例え愛されなくても私が愛すれば良い、何らかのお役に立てればいいそう思いました。」

 

 「そうか、じゃそうすれば良い、儂は反対なんぞせんよ、神の使徒に逆らう気は無いしな・彼は改革をもたらしてくれるだろう、その手助けを娘がするとなれば何処に反対する理由がある。」

 

 「でも、彼は平民じゃ」

 オレリーは自分で言っておきながらなんか的外れなことを言った様な気がした。

 

 「お前はバカか・・・」

 「彼がきちんと身分を提示したら国王さえひれ伏さないと行けないのだぞ、平民とか貴族とかの枠組みを超えておるわ」

 

 「彼と話してくるわ・・」

 「待ってお母様・・・」

 「待ちなさい、ソフィー!」

 ルーカスと話に行こうとするオレリーをソフィーが止めようとしたのを侯爵が止めた。

 「オレリーはオレリーでソフィーの事が心配なんだよ、話ぐらいさせてあげなさい。」


 「でも・・・」、

 「彼なら大丈夫だよ・・・」

 ソフィーは不服そうながら侯爵が押しとどめるので仕方なく押し留まったが、不安でならなかった。

 

 侯爵は一人、考えていた。オレリーの奴、変なことを考えていなければ良いが・・・

 侯爵にはあ不安な点があった。

 自分のせいであるのだが・・・

 

 第2夫人であるオレリーが嫁いでくる時点で既に侯爵には長男と長女がいた、そこに見たことも無い嫁が嫁いでくるのは夫婦供に抵抗があったが国王の命も合って断ることは不可能だった。

 暫くは床を供にすることは無かったが、子を望む声が多く一度だけ床を供にすると妊娠してソフィーが生まれた。

 淋しからかオレリーはソフィーを溺愛したが、ソフィーは人見知りな所はあったが、そこも侯爵にとっては好ましくさえ合ったのでソフィーは他の子供と区別すること無く可愛がってきた。


 今回、ソフィーが眷属となることは心配はあるだろうが、自分が一人になると自分の居場所がなるなると思っているのではないかと言う不安が侯爵の胸裏にくすぶっていた。

  

 長女のペディか次女のエレノアを変わりにと言う方法も無い訳では無いが、ルーカス殿がそもそもそこまでして望むとは思えない、第一ソフィーが納得はしないだろう。.


 頭の痛い、侯爵だった。


♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪

2018/09/07:誤字、脱字等を修正しました。

  

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