第二章 始動
第24話 帰還1
【帰還1】
アズガルド辺境泊邸のリビングに転移した。
転移自体は一瞬なんだが6時に出て8時に到着。
リビングに付くと調度、朝食が終わってリビングでティータイム中だった。
そこには見知らぬ女性がいた。
侯爵が後から持ち込まれるグラス300を領内に持ち帰るために馬車を呼んでいた。
その馬車と一緒に興味を持った辺境伯夫人が付いてきていたのだった。
「ただいま!・・・、ただ今帰りました。」
「お父様、ただ今帰りました。」
「ソフィアお帰り、大丈夫だったかい?」
「はい、お父様、楽しかったです、ルーカス様に色々と買って頂きました。」
ルーク侯爵はソフィーの無事な姿に安堵したようすで礼を言ってきた。
「シロ殿はルーカス殿?なのか?、随分、娘が世話になった様だ礼を言う」
「名前はフェンリルの時はシロで、今の状態だとルーカスでこれが基本の姿です。まあ、適当に呼んでもらって構いませんが、今後はこの姿でいることが多いと思いますのでルーカスの方が都合が良いかも知れませんね。」
「ワイングラスの方は追加分の300を用意して来ましたので前回同様馬車の方に下ろしておきますね。」
「グラスは別の馬車を呼んでるので追加分はそちらに積んでくれ」
「判りました。」
侯爵は300については一旦領内に持ち帰るみたいだ、王都には取りあえず200個持って行く様だ・・・
取り敢えずリビングに向こうで買った皆も物を取り出した。
取り出された物量に侯爵も辺境伯も驚いている。
「これは、また、向こうの商品かね?、見せて貰って良いか?」
侯爵はまた、俺が販促用に買ってきたサンプルだと思った様で何を持って来たのかを見たがった。
「いえ、これは、リネーネ様、アメリア、ソフィー様の私物ですので、見たいのならそれぞれご本人に許可をお取り下さい。」
侯爵は3人の私物と聞いてまた、驚いている。
「ソフィーお前が買ってきた物を見せてみなさい。」
侯爵はソフィーの分の山積みにてを増えた・・・
「お父様駄目です。レディの物ですよ、幾らお父様とは言え勝手に触らないで下さい。」
侯爵はびくっとして手を引っ込めながらソフィーに目をやる
「こんなに,何を買ってきたのかね?」
仮にも公爵令嬢なので裕福であるがこれだけ、大量に買ったことは無かったので侯爵は驚いている
「お洋服や下着、化粧品、生活雑貨、その他諸々ですわ」
ソフィーは買ってきた物を簡単に言いながら自分の荷物から何かを探し出している
「これ、お父様にお土産ですわ、ルーカス様から頂いたお金の中から余った分で買った物ですけど・・・」
そう言ってソフィーは紙袋を渡した。
「なんだい?」
受け取った侯爵は包みを開けてみると腕時計だった。
「それは腕時計ですわ、1日を24時間として今の時間を教えて繰れる物ですの、私も買ってもらいましたのでお父様にもと思って買って参りました。」
「うむ、有り難う。」
「おぉっ、お前はこんな高価な物を買ったのか?」
侯爵は感謝しているようだ、実際に腕に嵌めて読み方をソフィーから教わっている。
侯爵に買ったのはソーラー式の安価な腕時計だった。
こちらではやっと懐中時計が出てきたばかりで数千万ルドと高価な割には直ぐに止まったり、1日に30分以上ずれるのは当たり前だったため、一部の裕福な貴族しか持っていなかった。
「お父様、この腕時計は太陽の光で動いていますので適当に日に当てていればねじを巻くことも無くずっと仕えますし、水の中でも平気です。時間のずれは一月で数秒と高精度ですわ」
「そ、そんなに凄いのか?、一体幾らするのだろう、儂にはらえるかの?」
「お父様、ご心配はいりません、今回の買い物に関してはルーカス様のお気持ちとして頂きましたので大丈夫ですわ?」
「いや、いや、そんな訳にはいかん、こんな高価な物を買ってもらってただでもらっては公爵家の立場が無くなる」
侯爵は高価な物を貰う理由も無くもらったと言うことでかなり恐縮して代金を払おうと思っていた。
「侯爵様、お気のなさる必要は御座いません、その時計はソフィー様にちょっとした物を買う様に渡していたお金で買われた物です。高い物ではありません、2000ルドぐらいだったと思います。」
侯爵はもしかしたら数億円か?、だが向こうの世界は機械製品は安いと踏んでいたため数百万で買えるのではと予想していた。
「そ、そんなに安いのか?」
「値段の差が激しいのです、安い物は安いですし、高い物は数億円という時計もありますが、一般的には数千円から数万円ぐらいが普通ですね。」
「そ、そうなのか?」
侯爵はソフィーが手に嵌めてる腕時計をみて、ソフィーのも同じ位なのか?と聞いてきた。
「あ、それはソフィーが気に入って買った物なので・・・5万ルド位ですね。」
「そ、そうなのか?」
値段を聞いてちょっとしぼみ気味な侯爵に・・
「お父様、性能的には殆ど差は無いので、ご安心下さいね。」
とさりげなくフォローしていたが、侯爵は自分との価格差を気にしてるのか顔は曇っていた。
「ソフィー、私になら良いでしょう、服や下着なんかも見せて・・・」
オレリー公爵夫人はソフィーの荷物に手を出そうとするとソフィーが止める。
「お母様、お母様にお見せするのは構いませんが、ここでは殿方の目がありますからお部屋でならお見せします。」
ソフィーがそう言うと、オレリーフ人は荷物を持てるだけ持って、ソフィーとメイドに荷物運びを手伝ってもらって部屋に消えていった。
「やれ、やら、妻にも困った物だ・・・」
侯爵は苦笑いしながら、笑って誤魔化していた。
「ルーカス殿、今回は他に何か持ち込まれましたかな?」
侯爵はオレがまた、いろんな物を持って来ているのではと期待していた。
「今回は、お三方の買い物が中心だったこともあってそれ以外は、ここを拠点にして生活するための物資が多いですねぇ、ま、細々としたサンプルもありますので後でお見せしますが・・・今回は移動手段や生活物資が中心ですね。」
「今回、人も連れてきましたので、何時までもここに居候する訳にも行きませんし、どこかに土地を買って住みたいと思いますので・・・」
「そうじゃなぁ、まあ、ここに何時までいても良いとは思うが、今後の事を考えると自分の拠点を持った方が良いだろう、どうじゃ儂の領内でも良いぞ!」
侯爵はこの機会にどうやら俺を領内に引っ張り込みたい様だ・・・、辺境伯との話やアメリアとの話いかんでは侯爵の領地も有りだとなぁ。
「実はソフィーから眷属としての希望がありました。ソフィーはまだ、13ですので親権者の承諾を必要とします、眷属って?、その辺も含めてソフィーから話があると思いますのでそれいかんでは状況が変わりますので、後からでも話を聞いて下さい。」
「うむ、事態は複雑の様じゃの、取り敢えずは後でソフィーに話を聞いて見るとしよう」
侯爵は聡明な人物なので内容を何となく理解しているのであろう、ここであえて俺に聞き出そうとはしなかった。
アメリアとリネーネ様は荷物を自分の部屋に運び込んでさっさと引っ込んでしまった。
残された辺境伯はどこか淋しげである。
なんだか、可哀想なので、高めのウィスキーを取り出して渡すと随分と喜んで貰えた。
俺は一旦部屋に戻った。
部屋に戻ると奈津やって来た。
「久志、あのね、ここに付いたら頭の中に声が聞こえたの?」
「ん、なに、どんなの?」
「魔法使いになりました。」
「スキル、火、水、土、風、氷、光、聖の7属性を取得しました。」
「無詠唱を習得しました。」
「メイクエステティシャンを取得しました。」
「って、感じだった。」
「恐らく女神のせいと思うけど、凄いじゃん、俺の使えないのばっかり、いいなぁ、これも攻撃魔法が使える様になりたいなぁーー」
「メイクエステティシャンって言うのは俺には分かんないけど、それって俺より奈津の方が多分感覚的に判ると思うよ。」
「どうやって魔法を使ったら良いの?」
「うーん、俺に聞いても無理、おれって、転移とか幾つかの固定魔法しか仕えないから分かんないよ、これは感だけど、無詠唱を取得してるのならイメージすればいいと思うな。当面は練習するしか無いけど、家の中でやるなよ、下手すると屋敷燃やしたり、水浸しになったら大変だからな。」
「うん、わかった、明日ぐらいから練習するから付き合って・・・」
「あぁ・・良いよ。」
「俺も攻撃魔用を仕える様になりたいなぁ・・勇者の遺産は受け取ったけど、スキルはうけとれないのかなあ~」
「奈津、これは奈津だけには話して置くけど、実は俺は、俺自身の遺産?、財産を受け取った。ざっと数千億円位の資産がある殆どが金塊やプラチナが多いけどね。」
「えーーっ、す、数千億って・・・それに俺の遺産ってどういう事よ」
「俺は300年前の勇者の生まれ変わりだと言ったろ、その勇者の遺産だ・・・」
「つまり、アイテムバックと同じ様に同じ魔力の質を持った者しか開けることは出来ない、一旦、開けてしまえばリセットして書き換えることも可能だけどね。」
「す、数千億かぁ、この国を変える資金にするんでしょう。」
「うん、そうなるね。」
「うーん、そんな大金、どう使って良いか分かんないね。」
「そうでも無いさ、国を変えよって言うんだ、まだ、はした金だからこの国に落としながらも貴族相手に商売して利益を出していかないとね。」
「そう言えば、久志は商社マンだったね。そんな発想するのも判る気がする。」
「そういう訳で向こうの世界で会社を設立しようと思う。こっちから一人派遣して向こうに常駐させて置いた方が良いと思う、連絡取れる人間がいないって訳にも行かないしね。」
「その眷属をまずは選ばないと行けないから大変だよ。」
「私は嫌だよ、久志と一緒に行動する・・」
「うん、奈津には俺の秘書的な役割をして貰おうと思ってる、それに向こうに常駐するのはこっちの眷属をやろうと思ってる、こっちの文化や生活事情に詳しい方が物に目を付けるところが違うと思うし・・ま、なるべく早いうちに決めないとね。」
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