第23話 閑話 それぞれの思い

【閑話 それぞれの思い】


□■□ リネーネの場合 □■□


 シロにこちらの世界に連れてもらって。想像はして居たけどそれを斜めに突き抜けるぐらい実際は違って自分の想像力のなさを思い知らされる気がしたわ。

 

 今回は都市部だけしか見れなかったけど、本当に驚いた、家が幾重にも重なっていてもう凄く高い所に住んでいるのが不思議だった。

 土地の有効利用を考えるとそういうふうになるのは仕方の無いことだそうだ・・・

 

 地面の下を走る馬車、いえ、地下鉄という電車が走るかと思えば地上は馬の不要な馬車が自在に闊歩している。

 

 店について見ればきらびやかな商品が所狭しと並んでいる。化粧品の類いなどどう使えば良いのか、なんでこんなに種類があるのかは分からなかったので奈津さんに聞いて見るとそれぞれの目的に特化した商品があるために種類が多いそうで、そうかと思えば幾つもの機能が一緒になっていたりと購買者のニーズによって商品を揃えているところは凄いと思った。

 

 服にしても豊富にそろった種類、色、柄、かたちなど無限にある様に感じた、縫製はしっかりとして、中には縫い目のないものさえ有るのには驚いた。

 

 下着に関しては一番驚いたかも知れない、驚くほど色んな形があった、その一つ一つがレースであしらわれてたり向こう側が透けていたりと多種多様だった、こんなに透けていたらな夏場は風通しが良くて涼しいかも知れないが正面からは丸見えになってしまう、殿方の欲情を誘うのが目的なのだろうかと邪推してしまう。後ろを鏡で見るともう、丸見えにちかい物まであった。

 

 それでも一番驚いたのが、付け心地だった。

 お風呂に入ってから着替える時はどきどきする自分がいた。

 入らないんじゃ無いかって想ってたショーツもぴったりとしていてとっても気持ちいい、今までは少し長い間あるくと股間が痛くなったりしてたけど、これなら皆無、ブラも付けるととても良い感じ、胸が重くなくとっても楽、ただ、服の上から胸の大きさが分かってしまうのが恥ずかしい。奈津はそれが女らしさのアピールなんだと言うのだけれど・・・

 やっぱりさらしで今まで見た言い押さえた方がいいのかなぁ?、でも、あれってとっても苦しいし夏場は汗疹でかゆくて堪らない・・・

 

 

 私はこの世界はもっと知りたい、もっといろんな所を見てみたい、眷属になら無ければこっちに定住は出来ない。仮にアメリアが眷属になってもたまにちょっと行かれるだけで観光の域を出ない。

 ここに定住をしようと思えば眷属になるしか無い、ルーカスは最初から良く私を見てる、最初の帰省の時のお土産でも私に一杯買ってきたのは無意識のうちに私が浮かんだんだと想うわ、そう言えば下着を買ってきたのも私だけだったわよね、だからきっと潜在的に求めてる。

 

 それに現在、王都に住んでいる第2夫人のアンジェリカにしても先に結婚して長男を産みながらも家柄の関係で第2夫人の地位に甘んじているのも正直面白くないはず。長男のラドルフにしても遠慮してるみたいなところはあるし、私がいなくなれば辺境伯も楽になるはず・・

 

 もともと、二人は愛し合って結婚した中なのにわたしの場合はもろに利権がらみ、当時の辺境伯は私と結婚する以外、領地を維持、出来る方法は無かったからやむを得ず受け入れたって経緯があるから辺境伯は今でも私には頭が上がらない・・・それに多少の情はあっても愛してるとまでは言えないわ。

 

 こっちの世界に残って向こうの世界の文化や習慣、嗜好を知る私だからこそ見付けられる物があるとおもうのよね、その意味では私のこちらでの滞在は彼にとってはプラスになるはず・・・

 かと言ってあせっては駄目ね、奈津ちゃんとは上手くやれるはず、まず、彼女を味方に付け無ければ・・・

 

 ♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪


 □■□ アメリアの思い □■□


 召喚した召喚獣がフェンリルで喜んでいたけど、実は元人間で、半神でしたなんて、ふぅ、どうしたらいいの?

 彼の住んでいた世界はとても文明が凄く発達していて未来って言うより文字通りの別世界だった、綺麗な物、便利な物が沢山溢れていていろんな物を買って貰えたのは嬉しかったのだけれど・・・

 

 シロはいえ、ルーカスは私の事をどう思っているのかしら、今までは特に好意的に思ってくれていると思っていた、本人もそう言ってるし間違いでは無いと想うけど、眷属にするつもりは無いみたい。

 確かに眷属となると上下関係が逆転してしまう。

 

 今までフェンリルと思っていたから一緒に寝るのもお風呂に入るのも平気だったけど、これがルーカスとなるとやっぱり恥ずかしくてとても無理だとおもう。って言うか、今までルーカスに見られてたと思うと火が噴きそう。


 ルーカスの事は好きだけど愛してるかって言われると分かんない。

 だって、今までフェンリルとして見てきた訳でそれが突然、人間ですなんて言われても好意はあっても愛してるとは言えないよねぇ・・・

 

 召喚の盟約を護らなければ私には死が訪れる、まだ、死にたくない。

 一番の選択は私が眷属になることだとおもう。そうすれば盟約関係も上手くいく、そうするしか無いのならそれはそれで仕方ないとおもう。オークみたいなクリストフ男爵の息子に嫁ぐくらいならルーカスの眷属になった方が100倍ましだし。

 

 でも、あのソフィーの潔さは何なのよ、ルーカスとはあったばっかりじゃない、なに、それで眷属希望だってなんで即決出来るの?、私以上にルーカスの事を知らないのに・・・

 ルーカスがいくら何でもソフィーを眷属にするとは思えないけど、もし、そうなったら考えると心が痛いのはどうしてだろう。自分は愛しているか判らないのにソフィーに渡すのは嫌・・・

 もう、心が晴れない。


♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪


 □■□ 奈津の思い □■□

 

  ここ数日間の間にめまぐるしく環境が変化した、とても信じられない様なことが目の前でおこりそれが当たり前の様に受け入れられる自分がこんなにも柔軟だとは思ってもいなかったわ。

 眷属がこっちから3人?、何言ってんのよふざけんじゃないわよ、ってなると思ったら不思議と愛されてるって自信が持ててるからか独占しようとは思わなくなった。

 これも眷属化候補になった効果なのかも知れないけど、そんなことはどうでも良い。

 以前は判らなかった愛されてるって感覚が心に直接、キュンってなるくらいに伝わってくる。

 

 アメリアはややこしいわ、久志の事好きなくせに、妙にツンデレだし、かと言って

 遊びではのっても本気にな程、久志はロリコンじゃ無いし(と、思う)

 

 ♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪

 

 □■□ ソフィーの思い □■□

 

 シロ様の住まわれてる世界はとても華やかで絢爛ででした。とても希有なものに溢れる世界でした。

 シロ様と初めて会った時は胸の奥がキュンと熱くなって恥ずかしくてつい、隠れてしまいました、でもこの胸の奥に宿る思いは本物だと思うの。


 私はシロ様のお役に立ちたい、そしてシロ様と一緒に歩いて行きたい。


 シロ様は私の事を何とも思われてないかも知れないけど・・・私がまだ、13歳だからかな?

 大人になるまでなんて持っていられない、どんなことをしても私の方を振り向かせて見せるわ。


♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*♪゚*☆*゚♪*☆*゚♪゚*☆*゚♪

2018/09/05:誤字脱字等を修正しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る