アイスクリームくん、君はいずこ
ワタナベ
S S小説
私のクラスメイトの1人に、アイスクリームくんという男の子がいた。
見た目は、まんまアイスクリーム。彼はみんなと同じように、普通に授業を受けていた。日直の日だってある。黒板をきれいに消すのがとっても上手。機嫌がいいときは口笛なんかを吹いて、喋り方はちょっぴりキザで-。
それから、味はチョコミント。
私と彼は、隣同士の席で、いつもいろんなことを話していた。
私、アイスはバニラかな-
そう言ってからかったときの彼の顔、たまらなく愛おしかった。
それは、不吉なほどに太陽が地球を照りつけた真夏日のこと。
彼は、突然姿を消した。
彼がいなくなっても、周りのみんなは、まるで彼なんて存在していなかったかのように振る舞っている。あるいは、彼のことをとっくの昔に忘れてしまったみたいに。
アイスクリームがいつか溶けてしまうのは、きっと当たり前のことなのだ。
それでも私は、
彼のことが大好きだったのに。
アイスクリームくん、君はいずこ ワタナベ @sekinohana
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