07.第一印象は大切って知っているか?




――どんなに神様に祈ろうとも、時間は無常に過ぎていくもんだ。




 時間を刻む針の速度が妙に速く感じて、気付いたら昼休み、気付いたら5限目、気付いたらSHRになっていた。

 時間って変だよな。早く時間よ過ぎろ、と思う時は、メチャ遅く時間が過ぎていって。遅く時間よ流れろ、と思うときは、目まぐるしく時間が早く流れていく。感じ方の問題なんだろうな。


 そうそう昼休みにヨウが教科書を返しに来た。ついでに飯に誘われたから、俺、ヨウと一緒に体育館で昼飯食べた。いや俺、弁当だから教室で食おうと思っていたんだぜ?


 けどヨウが「弁当持って行けば良いだろ?」なんて言って来るんだぜ? 断れねぇって。此処で変に断ったら「ナメてんのか?」とガン飛ばされるに違いない。だから仕方なくヨウと体育館で昼飯を食ったという。しょーがねぇ! 俺はノーとは言えない日本人だから!


 そういえば途中、タコ沢がやって来た。

 もしかして雪辱を晴らしに来たのかなー? って思ったら、ヨウの飲み物届けに来ていた。 


「遅ぇタコ沢。もっと早く買って来れねぇのか?」


 哀れタコ沢、ヨウに文句を言われていたという。

 タコ沢は青筋を立てて「俺は走って買ってきたァアアアアー!」叫んでいたけど、ヨウは片耳塞いで「うぜぇ」って切り捨てていた。

 タコ沢、諦めろ。ヨウに喧嘩を売った時点で、お前の人生パシリにされる運命だったんだよ。同情しながら俺、タコ沢に視線を送った。

 そしたらタコ沢が「そんな目で見るんじゃねえ!」ってキレてきた。


 しかも、


「田山圭太……いやケイ! 表に出ろやゴラァアアア!」


喧嘩を吹っ掛けられた。


 流石に喧嘩売られてビビッた俺は、持っていた弁当を投げそうになった。弁当を投げる構えになった。

 これは自己防衛、勿体無いことをしてでも身を守る自己防衛だ。タコ沢は本当に投げるんじゃないだろうな、って俺を睨みつけながらも逃げる態勢を取っていた。


「投げちまえケイ。またタコウインナーでも乗せてやれ」


 面白おかしそうにヨウが言ってくるもんだから、タコ沢が顔を赤くして肩を震わせていた。


「俺は谷沢ダァアアア! 覚えてやがれぇえええ! いつかケッチョンケッチョンにしてやるからなあああ!」


 吼えるだけ吼えてタコ沢は逃げ去った。俺に喧嘩を売ってもヨウが買うと分かっていたから逃げたんだろうな。ホント哀れ、タコ沢。でも谷沢よりタコ沢の方がしっくりくるぞ。あとケッチョンケッチョンはあんまりな表現だぞ。ケッチョンケッチョン発言でヨウは大爆笑していた。


 ボンヤリと昼休みのことを思い出しながら、通学鞄に教科書を詰め込む。

 これから、俺、どうなるんだろう。明日、学校に来られるかどうか。


「田山」


「……利二。何だ?」


 手を止めて、声を掛けてきてくれた利二の方を見る。


「本当に行くのか? 放課後……大丈夫なのか?


「明日、俺が此処にいなかったら何かあったと思ってくれ……ッ、利二、俺、死ぬかもしれねぇええ!」


「お、落ち着け田山」


 利二の肩を掴んで俺は、溜めに溜めていた気持ちを爆発させる。


「絶対死に行くようなもんだよな! なッ? 俺みたいなジッミーな奴がよ? ジミニャーノがよ?」


「ジミニャーノ……それはなんだその名称は」


「注目して欲しいのはそこじゃねえよ馬鹿。とにかく、俺みたいなジミニャーノが不良と戯れるなんて地獄に行ってきまーすっていうようなもんだろ?!」


「そりゃ……そうだが」


「としじ、せめて葬式には来てくれよ! 線香一本あげてくれたら、俺、マジ泣いて喜ぶから! お前の守護霊になってやるから!」


 薄情だけど、いつも心配してきてくれる利二なら守護霊になって一生を見守ってやるぜ!

 何かあったら守護霊凡人パワーで助けてやる! けど助けてやれなかったらごめん! って、そんなあからさま迷惑そうな顔するなよ利二。俺、守護霊になってお前を守ってやるって言っているのに。お前が結婚したらその奥さんも守ってやるつもりなのに。利二には俺の熱い友情を感じないのか?


「僕もお線香くらいはあげてあげるよ。圭太くん。ウーン、でも守護霊になってもらっても困るかも」


「化けて出たら俺、霊媒師に頼んでお前が成仏できるよう金出してやるよ」


 その声は薄情そのイチ(光喜)、そのニ(透)だな!

 振り返ればやっぱりそのイチ、そのニが立っていた。出たな、俺と同じジミニャーノめ。他人事だからか面白おかしそうに俺を見てくる。合掌してくる光喜に腹が立って、脛を爪先で思い切り蹴ってやった。

 「イッテー!」悲鳴を上げる光喜にいい気味だと口端をつり上げる。俺の悲痛な嘆きをその痛みで思い知りやがれ!


 ふとポケットから振動が伝わってきた。携帯のバイブ音、恐る恐る取り出してみるとやっぱりヨウからだ。『SHR終わった』そんな文面がメールで伝えられる。

 俺、終わったらヨウの教室に行くって言ったもんな。ヤッバ待っているだろうな。早くヨウのいる教室に行こう。待たせたら焼き入れられるって。返信をして直ぐに片付けを済ませる。「じゃあな」三人に声を掛けて、教室を出て行こうとしたら利二に呼び止められた。振り返れば利二が真顔で俺を見てくる。


「荒川庸一のいる不良グループは、厄介な面子ばかりだそうだ。仮に何か身の危険を感じたら、直ぐに逃げろよ」


 お……脅かすなよ、利二。

 顔を引き攣らせながらも、俺は利二の助言を素直に聞き入れることにした。


 「何かあったら電話してね」透が茶化しもせず、「何かあったら逃げるンだぞ!」光喜が純粋に心配してきてくれる。やっぱ嬉しいよな、こういう風に心配されるのって。こいつ等、薄情者だけど友情は感じるぜ。了解と片手を上げて俺は教室を出た。


「厄介な面子ばっかり、か」


 何か危険を感じたら直ぐに逃げる、逃げる、逃げる……逃げられるのか? 俺。

 根本的な問題に直面し、俺の足取りが重たくなる。 

 不良から逃げるって体力とかの問題じゃないよな。不良から逃げる=ヨウからも逃げるということで。逃げるという手段は今後の学校生活のに対する覚悟と度胸が無いと、絶対に無理だって。不良って何かと面倒だよな。俺、高校三年間大丈夫なのかな。

 溜息をついて廊下を小走りで駆け抜けていると、前方を歩いていた男子生徒と目が合った。


 ヤバッ、目が合ったよ。なんか気まずいな。あれ、多分先輩だ。


 そう思いながら、脇を擦り抜けたら「荒川の舎弟」って独り言が聞こえてきた。舎弟って俺のことだよな。足を止めず男子生徒の一瞥。眼鏡を掛けている男子生徒は口角をつり上げてきた。


 うわぁ、あの笑み、何かを目論んでいるような皮肉った笑みだぜきっと。

 身震いをしながら視線を戻した。これ以上、厄介が増えるのはゴメンだ。何も無かったことにしよう。俺は急いでヨウの待っている教室へと向かった。


「田山圭太。あれが荒川の舎弟、ね」


 光で反射する眼鏡のレンズ越しに、男子生徒が走り去っていく俺を見つめていたけれど、本人は気付けずにいたのだった。



 ◇ 


 

 当然の如く後ろに乗ってくるヨウと共に、俺はチャリをかっ飛ばしていた。


 向かうは地獄……じゃなかった、駅近くにあるゲーセン。そこでよく溜まるらしい。

 ゲーセンって煩くないか? BGMガンガンだぜ? あそこで駄弁れるものなのか?疑問を浮かべながら俺は心の中で溜息をついた。本気で気が重い。不良のダチと会うことが。マジ胃がキリキリしてきた。俺、胃炎にでもなりそう。

 しかも俺の心臓、今の時点でバックバク高鳴ってやがる。クッソー、こんなことなら光喜でも引っ張り連れて来れば良かったぜ。


 この恐怖をアイツにも味あわせてやりたい。俺に合掌してきやがってチクショウめ! 心配してきてくれたのは嬉しかったけどさ。

 ふと俺の肩に置いていたヨウの右手が離れた。後ろを一瞥すれば、片手で携帯を弄くってやんの。おいおいおい、大丈夫かよ。


「しっかり掴まってないと落ちるぜ? ヨウ」


「俺がそんなヘマするかよ。ワタルからメールが来ていんだ。あいつ、もうゲーセンで二万と五千ほどスッたそうだ」


「二万⁈ そんな大金スッったのか」


「あれだな。何か腹立つことでもあったんだろ。あいつ、ムカつくことがあると何かと金使うからな」


「いいよな。そういう金があるって」


 うっわぁ、ワタルさんもいるのか。

 自然と口元が引き攣っていく。

 そりゃヨウのダチだからツルむことが多いだろうけど、何もさ、今日までツルまなくても良いじゃないか!俺、ワタルさん苦手なんだよなぁ。嫌いってわけじゃないんだけど、恐怖心と苦手意識が同時に襲ってくる。ヨウ曰く、ワタルさんは午前中からゲーセンにいるそうな。


 そういえば学校では会わなかったな。会いたくないけど……。


 ゲーセン目前でチャリを止めヨウを降ろす。「やっと着いた」なんてヨウは言っているけど、俺の胃は痛み絶頂で絶好調。俺の胃が訴えている、「お家に帰りたい」と。心臓が嘆いている、「殺される」と。


 嗚呼、諦めてくれ俺のカラダ。お前等がどんなに不調を訴えても、俺は行かなきゃならないんだよ。不良の巣窟に。出来れば俺だって帰りたいし逃げたいけど、逃げるなんてそんな不可能だろ。チャリをゲーセン前に置き鍵を掛けながら、俺は俺自身のカラダと対話していた。口に出せば怪しい奴だけど、心の中だったら誰にも文句言われないしな。こんなことでもしてないとヤッてらんないって。


 俺は威圧感を漂わせているゲーセンに目を向ける。

 此処は俺の地元の中で、上位三番以内に入る大きなゲームセンター。3階建てでスッゲーデカイ。学生は勿論社会人なんかがよく出入りしているんだ。

 俺も何度か入ったことある。けど俺が踏み入ったことがあるのは2階まで。3階には行ったことがない。理由は、ヨウみたいな不良の奴等の溜まり場になっていることを知っているから。ゲーセン側も諦めているのか、不良達に対して溜まるなって注意はしてないらしい。過去に何度か注意はしていたらしいけどキリが無いんだろうな。


 馬鹿みたいにゲーセンを見上げていたら、ヨウに「まだかよ」って文句を言われた。急いで鍵を掛けると、俺は「ワルイワルイ」と愛想笑いを浮かべながらヨウの元に駆け寄る。


「チンタラしてんじゃねーよ」


 悪態ついてくるヨウに、俺は何度も明るく詫びながら内心メチャビビッていた。

 だって機嫌を損ねたらグーパンチが飛んできそう。ビビらねぇって方が無理。話題を逸らす為に、俺はヨウに質問をしてみることにした。


「なあ、ワタルさんやヨウのダチってゲーセンの何処にいるんだ?」


「んー。そうだな。格ゲーしているんだったら二階が多いけど、やっぱ三階だろうな」


「へ、へぇー……三階」


 やっぱ三階きたか。不良の溜まり場説の流れている、三階きちゃったか。

 ヨウと一緒にゲーセンに入ると想像以上にBGMが煩かった。UFOキャッチャーから流れるBGMなのか、格ゲーから流れるBGMなのか、スロットマシーンから流れるBGMなのか、はたまたゲーセン全体に流れているBGMなのか。どれがどのBGMか判断がつかないほど店内は煩い。それに混じって女子高生のはしゃぎ声が聞こえてくるもんだから、耳が麻痺しそう。


 しかも店内は妙に蒸し暑い。


 ちゃんと温度調節しているのか? 疑問に思うくらい蒸し暑い。騒音のプチサウナに放り込まれたみたいだ。そう感じるのは俺だけだろうか。

 行き慣れているヨウは、速足でエスカレータへと向かっていた。曰く、階段はダルイらしい。気持ちは分からないでもないけど、是非階段で行きたかった。ゆっくり階段を使って三階に行きたかった。心の準備とか色々出来るから。

 憂鬱な気持ちを振り払えないまま俺もヨウの後を追ってエスカレーターに乗る。


 機械的に流れていくエスカレータは、無慈悲に俺達を一階から二階。二階から三階へと運んでいく。エスカレータよ、故障でもして止まってしまえ。思っても無意味なことは分かっている。心の準備も碌に出来ず、俺の視界は三階のフロアが飛び込んでくる。


 どんな奴等がいるんだろう?

 徐々に顔を出す三階のフロアを覗き込んで大後悔。想像していたけど、想像していた以上に厭な光景が広がっていた。

 ヨウみたいに髪を染めている奴等がいる。見るからに不良。チャラチャラ。俺みたいな奴が来るなんて御門違いだって雰囲気。不良のメンバーには女の子もいた。いかにもギャルですって服装ばっか。女の子も俺にとっちゃ恐いのなんのって恐いんだよ! だって不良だから!


 不良の方々、ゲームをしているっていうより駄弁っていたみたいだ。

 スロットマシーンや格ゲーに備えられている椅子に座って駄弁っている。中にはエアホッケーの台に座っている奴もいた。そりゃマナーとしてどうかと思うんだけど、なんて口が裂けてもツッコめない。恐いから。


 三階のフロアに足をつけたヨウは、片手を上げて仲間に挨拶をしていた。ヨウに気付いて仲間も挨拶を交わしている。ヨウの後について行きながら、俺はなるべく目立たないようフロアの隅にでも行こうと思ったんだけど、その前に背後にナニかを感じて足を止めた。

 喧嘩等々厄介事に巻き込まれないよう生きてきた地味日陰凡人は、こういう時に能力を発揮する。

 これはそう、違和感というか、殺気というか、俺の身に降りかかるナニかだ!反射的にその場から逃げるように離れた。


 すると短く空気が切れる音が耳元で聞こえた。サッと振り返れば、金髪の不良らしき男が俺に向かって……突っ込んでくる! つまり攻撃を仕掛けられた! ちょ、なんで⁈


「た、たんまたんまたんまー! ストーップ!」


 聞く耳持っちゃくれないし! 拳を振り下ろしてくる不良の攻撃を、紙一重で避ける。不良は手慣れたようにもう1発拳をお見舞いしてこようとする。

 今度は避けられそうにねぇ……ってか、なんでイキナリ攻撃しかけられるんだよ!

 疑問よりも自己防衛が先に働いた。振り上げてくる拳を受け止める為、俺は持っていた通学鞄を盾にする。おかげで拳が顔面に当たることは無かった。受け止めた勢いで後ろによろけそうになったけど、どうにか踏ん張れた。


 凄いぞ俺! 不良のストレートパンチを鞄で受け止めた……って、悠長にそんなこと思っている場合じゃねえし! まだ攻撃を吹っ掛けてこようとしているんだって、コイツ!


 蹴りを入れようとしているのか、右足が宙に浮いた瞬間を俺は見た。

 喧嘩慣れしてない俺にとって絶体絶命! だけど次の瞬間、不良の顔面に煙草の箱が投げられた。不意打ちを喰らった不良は「イッテー!」って顔面を押さえている。箱の角が額に当たったようだ。


 とにかく……嗚呼良かった、蹴られずに済んだ。


 俺は体の力が抜けて鞄を床に落とす。胸に手を当て自分自身を落ち着かせる。


 大丈夫、大丈夫、だいじょーぶ、俺はまだ生きているぞ。

 何度か軽く深呼吸をしていると、俺の肩に誰かの手が置かれた。俺は間の抜けた声を出して大袈裟に後ろを振り返る。そして後ろを振り返ったことを後悔。

 俺の肩に手を置いてきたのは、煙草を銜えているフロンズレッド(金赤色っつーの?)した女の子。背丈が俺よりも少し高い。俺、これでも一七〇はあるんだぜ? なのに俺にやや視線を落としているって、この人どんだけ背が高いんだよ。


 フロンズレッドの女不良は俺を満遍なく見てきた後、軽く息を吐いて俺の頭に手を置いてきた。突然の動作に俺は当惑。対照的に彼女はふんわりと微笑んできた。


「怪我はねぇか? あったら遠慮なく言えよ」


「べ、べつに怪我ないデスケド」


「そっか。なら良かった。驚かせて悪かったな。テメェ、喧嘩慣れしてねぇってヨウから聞いていたから」


 グシャグシャに髪を撫でて俺の肩に手を置くと、後ろにガンを飛ばしていた。つられて俺も後ろを振り向けば、ムスッと脹れている金髪不良が額を擦っていた。


「おいコラ、モト。テメェ、何腐ったやり方で挨拶してんだ?」


「だぁああああああって! ヨウさんが舎弟作ったって言うからぁああああ! どんな奴かカラダに聞いてみようって思ってッ」


 フロンズレッドの女不良さまは、金髪不良の、男だったら1番突かれたくない急所を蹴り上げた。痛さに悶えてその場にしゃがみ込む金髪不良に、俺はかなり同情した。

 アレは痛い。絶対痛い。呼吸が出来なくなるくらい痛いに決まっている!


「何がカラダに聞いてみるだ。そこで反省してろ馬鹿が。ホント悪かったな、向こうに行こう」


「え……けど、この人」


「放っとけ放っとけ。当然の報いだ」


 ぞんざいに言い放つフロンズレッドの女不良さまは、俺の背中を叩いて笑いかける。フロンズレッドの女不良さまって口調は荒々しいけど、曲がったことは嫌いなようだ。俺のような奴を気にかけてくれる。姉御肌という単語がぴったりだ。


 でもさっきの蹴りを見ていたら女番長って感じがするんだけど。普通に煙草を吸っているし。

 フロンズレッドの女不良さまに流されるまま、俺はヨウやそのダチのいるところへ向かった。ヨウは呆れたように金髪不良に目を向けている。


「モトの奴、何しているんだ? ったく。ケイ、お前、よくモトのパンチかわせたな。喧嘩慣れしてねぇだろ?」


「してるわけねぇーよ! っ、恐かったッ…マジ恐かったーっ」


「悪い。モトには後で言っとく。モトの紹介は後回しで、まずこいつ等から紹介するぜ」


 俺の肩に腕を乗せて、親指で前方を指してくる。

 前方にはフロンズレッドの女不良さまを合わせて三人の不良が立っていた。改めて不良を目の前にすると足元の感覚がなくなるほど恐怖心が湧いてくる。


 取り敢えず、社交挨拶だと心に言い聞かせ愛想笑いで「どーも」と挨拶をすれば、フロンズレッドの女不良さまが自己紹介をしてきた。

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