もう絶対にチョロい奴なんて言わせないっていう気合十分で、さあ、やってやろうじゃないの!

ついに当日を迎えた。


体育教師はあっさりと紅白戦を認めてくれた。チーム編成で当然不自然さを感じてはいたろうが、厄介ごとに積極的に関わるのが面倒くさいのだろう。審判もあっさりと引き受けてくれた。

小橋たちが先にオーダーを出してきた。


「先鋒、次鋒、中堅は、まあ運動部のレギュラークラスを選んできたのね。安直だな。え・・・と。うん。先鋒種田、次鋒加瀬、中堅上邑、でどう?」

「え? わたしが中堅?」

「そう。はっきり言って上邑は強い相手の方が切迫感が増して気合入るでしょ。申し訳ないけど上邑は気合で勝つ以外に勝機が見出せないから」

「うん・・・うん! そうだよ! 現実を直視して、少しでもかき回してみるよ! もうわたしのこと、チョロい奴なんて絶対に呼ばせない!」

「おお、そうだよ上邑さん! 俺らだって絶対にもうどんくさいなんて言わせない!」


先鋒・次鋒の2人も根性が違う。


「副将は柔道部無差別級の野手か。まあ、恥も外聞もないね。わたしにやらせてもらっていいかな」

「え? カナタさんが?」

「うん。まあ、やれるだけのこと全部出してみるよ。もちろん勝つためにね!」

「わかった。頼むね!」

「んで、カトオ。相手の大将は小橋。もうカトオがやるしかないでよしょ」

「うん」

「再起不能にしてやれよ」

「うん。入試受ける気力すら無くしてやるつもりさ。上邑さん、楽しみにしててね」

「ふふっ。カトオくん、お願いね!」


僕も含め、みんないい具合にリラックスしてきた。さあ、やってやるか!

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