もう絶対にチョロい奴なんて言わせないっていう気合十分で、さあ、やってやろうじゃないの!
ついに当日を迎えた。
体育教師はあっさりと紅白戦を認めてくれた。チーム編成で当然不自然さを感じてはいたろうが、厄介ごとに積極的に関わるのが面倒くさいのだろう。審判もあっさりと引き受けてくれた。
小橋たちが先にオーダーを出してきた。
「先鋒、次鋒、中堅は、まあ運動部のレギュラークラスを選んできたのね。安直だな。え・・・と。うん。先鋒種田、次鋒加瀬、中堅上邑、でどう?」
「え? わたしが中堅?」
「そう。はっきり言って上邑は強い相手の方が切迫感が増して気合入るでしょ。申し訳ないけど上邑は気合で勝つ以外に勝機が見出せないから」
「うん・・・うん! そうだよ! 現実を直視して、少しでもかき回してみるよ! もうわたしのこと、チョロい奴なんて絶対に呼ばせない!」
「おお、そうだよ上邑さん! 俺らだって絶対にもうどんくさいなんて言わせない!」
先鋒・次鋒の2人も根性が違う。
「副将は柔道部無差別級の野手か。まあ、恥も外聞もないね。わたしにやらせてもらっていいかな」
「え? カナタさんが?」
「うん。まあ、やれるだけのこと全部出してみるよ。もちろん勝つためにね!」
「わかった。頼むね!」
「んで、カトオ。相手の大将は小橋。もうカトオがやるしかないでよしょ」
「うん」
「再起不能にしてやれよ」
「うん。入試受ける気力すら無くしてやるつもりさ。上邑さん、楽しみにしててね」
「ふふっ。カトオくん、お願いね!」
僕も含め、みんないい具合にリラックスしてきた。さあ、やってやるか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます