「ねぇ、おばあちゃんは夕飯食べないの？」

　私は正面に座る雪絵お姉さんにそう聞いた。

　場所は居間。私は雪絵お姉さんと二人、食卓を囲んでいる。

　荷物を部屋へ運び、部屋でぼんやりしたり、学校の宿題をやったりしている内に夕飯に呼ばれたのだが、夕食の席におばあちゃんの姿は無かった。

　雪絵お姉さんは私の質問にクスクス笑うと「おばあちゃんは夕飯は食べないのよ」と返した。

「ふうーん」

　私はカレーの入ったお皿をグルグルかき混ぜて夕飯抜きでおばあちゃんはお腹が空かないのかと考えた。

　年寄りだし、色々有るのかも知れない。

　私はこの事を雪絵お姉さんに詮索するのは止して、カレーを口にした。

「辛い！」

「嘘でしょ？　中辛よ！」

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