壱ノ不思議 廊下の怪(13p)

「何ていうか、上手く言えないけど……夏休みにね、中学で出来た友達に遊びに誘われたの。この日に皆でプールに行こう、あの日にはお祭へ、次はここへ。この日は集まって宿題を一緒にやりましょうよって……」

 私はテーブルに顔を伏せた。

 そして、溜め息を漏らす。

「友達に誘われるなんて良いじゃない。友達と遊んで楽しく過ごせば良いんじゃない?」

 雪絵お姉さんの一口に、私はわざとらしくはぁーっと溜め息の声を上げた。

「そうなんだけど、私、プールになんて行きたく無かったし、お祭は毎年一緒に行く別の友達がいたし、何より、夏休みは一人でゆっくり過ごしたかったのよ。中学に入ってから、今の友達と毎日の様に一緒にいて、遊んで、勿論それも楽しいんだけど、疲れちゃったのよ。一人でゆっくりして、自分のやりたい事やって、充電したかったのよ! そうでないと、新学期からまた頑張れそうに無いなって思って……」

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