壱ノ不思議 廊下の怪(9p)
私がそう言うと、おばあちゃんは首を横に振り、「私は後で頂くから行っておいで」と言った。
「早紀ちゃーん!」
私を呼ぶ雪絵お姉さんに、はぁーい、と返事をすると、おばあちゃんにまた後でと言って、私はおばあちゃんの部屋を出た。
「早紀ちゃん、おばあちゃんの部屋で随分ゆっくりしていたのね」
もう部屋の目の前まで来ていた雪絵お姉さんが手でヒラヒラ自身を仰ぎながら言う。
今日はとても暑いのだ。
「そんなにゆっくりして無いと思うけど……それにしても、廊下は暑いね。おばあちゃんの部屋は涼しかったから余計暑いわ」
「ええ、ここの廊下は窓も無いからね。夏は暑いのよ。早く冷房の利いた居間に行きましょうか。早紀ちゃんの部屋を案内するのはお茶してからで良いわよね?」
廊下に出た途端に汗が出て来ていた私は雪絵お姉さんに言われるまま涼を求めて居間へと移動した。
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