壱ノ不思議 廊下の怪(8p)

 おばあちゃんがあんまりおかしそうだから私も何だか笑ってしまって、子供扱いされた事なんてどうでも良くなった。

「そうだ、お土産にお菓子持って来たんだ、後で一緒に食べようよ」

 私がそう言ったタイミングで雪絵お姉さんが私を呼ぶ声がした。

「早紀ちゃん! いらっしゃい! お茶入れたからぁ」

 私とおばあちゃんは部屋の入口の襖に目を向けた。

「早紀ちゃん!」

 雪絵お姉さんの声はどんどん部屋に近付いて来る。

 もう、廊下を踏む足音まで聞こえる。

「行っておいで、早紀ちゃん」

「えっ、おばあちゃんも一緒に行こうよ。雪絵お姉さん、きっと持ってきたお菓子出してくれるはずだよ。一緒に食べようよ!」

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