壱ノ不思議 廊下の怪(6p)
おばあちゃんが、白髪の多い髪に挿した、かんざしを片手で直しながら言う。
「うん、まぁ、そうです」
答える私の声を聞いて、おばあちゃんはニヤッと笑顔を作ると、部屋の中に有る仏壇の前にちょこんと座ったまま、私を手招きした。
私はおばあちゃんの側まで行くと、おばあちゃんに進められて、おばあちゃんの正面に置かれたオレンジ色の座布団に正座をして座った。
私が座ると、おばあちゃんは直ぐに話し出した。
「まぁ、なんだってこんな遅い時間に来たんだい! お母さんは? 居間にいるのかい?」
「遅い時間かなぁ、まだ午後の四時になったばかりだよ。ママ……お母さんはいません。一人で来ました。今日からしばらくここに泊まるんです」
私がそう言うと、おばあちゃんは目を丸くした。
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