壱ノ不思議 廊下の怪(3p)

 夏休み。

 私はおばあちゃんの家に来ていた。

 今日からしばらく一人でおばあちゃんの家に泊まるのだ。

 玄関を開けて元気に挨拶すると、雪絵お姉さんが私を迎えてくれた。

 雪絵お姉さんは、私のママの妹で、つまり、私のおばさんである訳だ。

 とても綺麗な人で、私は雪絵お姉さん以上に綺麗な人を見た事が無い。

「早紀ちゃん、良く来たわね。どうぞ上がって」

 雪絵お姉さんはそう言って、スリッパを私の前に揃えて置いた。

「有り難う。これ、ママから。私の事、お願いしますって」

 私は靴を脱ぎ、スリッパを履きながらお土産を渡す。

「あら、このお菓子、私、好きなのよね。有り難う。ママは? 一緒に来なかったの?」

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