壱ノ不思議 廊下の怪(2p)

 キィィィィィィィーッ

 キィィィィィィィーッ


 いくら念じても、いくら祈っても、廊下を踏む音は消えない。

 いつからこうなったのかは分からない。 

 しかし、恐らく、私が生まれる前から、アレはああやってずっと廊下を踏んでいたのだろう。


 キィィィィィィィーッ

 キィィィィィーッ


 我慢するしかない。

 もし、私が生まれる前からアレがいたなら、アレの方が先客と言うヤツだ。

 私はこの家に生まれた事を今夜も呪い、浅い眠りに付いた。



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