第17話 大学2回生、3月、末日

3月末。

今日から、美雨ちゃんと同居。


今までも、通ってくれていたのだけど。

それでも、やはり新鮮だ。


信頼されているのだから、それを裏切る行為は出来ない。


美雨ちゃんは、今お風呂に入っている。

お気に入りのシャンプーであわあわと髪を洗い。

ちら、とさっきからこっちを見るので気づかれていないか心配になるが、多分大丈夫。


美雨ちゃんがマンションに通う様になり、たまにシャワー等を浴びていく事があった。

その時に気づいてしまったのだけど、お風呂場の浴室を少し開けて入る癖が有るのだ。

恐らく、締め切ると暑いのだろう。


駄目だとは思いつつ・・・覗いてしまい。

・・・本当に最低だ。


丁寧に畳んである、可愛らしい下着もちょっと心踊るのだけど。

その先・・・隙間から・・・除く。

スタイルは良いし、肌も凄く綺麗で・・・


「お兄さん、ボディーソープ取って貰えますか?」


「はい」


隙間から、ボディーソープを差し入れる。


「有難う御座います」


受け取る美雨ちゃん。


・・・


あ、目があった。


「お兄さん、女の子のお風呂覗いちゃ駄目ですよ?」


美雨ちゃんが困った様な顔で言う。


「ご、ごめん。つい・・・美雨ちゃんが魅力的で」


「褒めても駄目です」


美雨ちゃんは溜め息をつくと、


「とはいえ、生活に余裕が有る訳でも無いですからね。光熱費節約の為、お風呂は一緒に入る事にしましょうか」


別にそこまで生活は逼迫していないのだけど。

この勘違いには乗るべきだ。


「是非!」


「・・・何だか目が、イヤらしい、です。本当に、変態、ですね」


美雨ちゃんが言葉を区切り、強調しながら言う。

・・・やばい、ちょっと萌える。

ジト目も可愛い。


「寒いです。早く入って来て下さい」


美雨ちゃんが呆れた様に言う。

お言葉に甘えよう。


--


「それにしても、美雨ちゃん大きくなったよね」


お風呂上がり。

ソファーに並んで座り、美雨ちゃんは眠いのか、俺にもたれ掛かっている。


「・・・私のおっぱいの事ですか?無断で触るとか、本当に失礼ですよ。他の女の子にそんな事言ったら、通報されますからね?」


「大丈夫だよ。俺がおっぱい揉みたくなるのは、美雨ちゃんだけだ」


「馬鹿ですか、阿呆ですか。それで喜ぶ訳がないですからね?」


美雨ちゃんが刺々しい口調で言う。


たゆ・・・


パジャマ姿で、ノーブラ状態の胸を自分で持ち上げ、


「と言うか、邪魔なんですよね。どんどん大きくなって・・・重いんですよ」


どれどれ


「うん、確かに重いけど・・・これは・・・良い」


「常につけてる私の身にもなって下さい。後、無断で女の子のおっぱい触っちゃ駄目です。服の上からでも、です」


「触るよ」


「程々にして下さいね」


大学の生活の心得、勉強の事、良く分からない代表の挨拶の事・・・

取り留めもない事を話し、


「そろそろ寝ようか」


「・・・はい!」


何故かびくりとする美雨ちゃん。

もっと話していたかったのかな。


布団は大きめの布団が1つ。

美雨ちゃんが間違えて、ダブルのサイズを買ってしまったのだ。

場所はあるし、もう1つ買おうと思ったのだけど、お金が勿体無いから1つの布団で寝ることになった。


「おやすみなさい」


挨拶を交わし、目を閉じた。

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