第7話 高校3年、7月
7月。
大学受験勉強の息抜きに、海に来ていた。
かなり大人しい水着を選んだのだけど。
「駄目だ・・・」
俺の呟きに、美雨ちゃんが小首を傾げ尋ねる。
「どうしました、先輩?」
美雨ちゃんの肩をがっしりと持ち、
「美雨ちゃんが天使過ぎて、その水着でも人目に晒すのが惜しくなってきた」
美雨ちゃんは溜め息をつくと、
「この先輩は・・・この水着で駄目なら、もう泳げないですよ?」
「うん・・・仕方がない、諦めよう」
く・・・かなり注目を集めてしまっている。
超絶美女と普通男子。
そりゃ浮くよね。
軽く海で泳ぎ、その後はのんびり砂浜で休憩。
部屋にパンフレットが積んであったり、一緒に水着買ったり、やたらと海の話題が出たりしたので、駄目元で海に誘ってみたのだけど。
どんな魔法がはたらいたのか、OKしてくれたのだ。
夜は花火大会。
はぐれないように、美雨ちゃんが腕に抱きついてくれている。
子供が駆けて行き、夫婦らしき大人が笑いながら追いかける。
「子供、良いですね。2人も楽しいけど・・・将来、子供を連れて来てあげたら、きっと子供の想い出になるのでしょうね」
美雨ちゃんが抱きつく力を強める。
美雨ちゃんの頭を撫で、
「そうだね。楽しみだよ」
そう答えた。
美雨ちゃんの旦那さんになる、羨ましい奴。
今だけは、ずうずうしく、そこに俺を当てはめた。
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