第2話 高校入学前

次にその子と会ったのは、妹が留守の時だ。

妹が少し外出し・・・その間に妹の親友から電話。

妹が今居ない事、もうすぐ帰って来る事を伝え、うちで妹を待つ事になった。


その差は5分も無かった筈なのだけど・・・


親友がうちに来た後、妹から帰りが遅くなると連絡があり、今に至る。


「・・・そうですか」


困惑した様に、妹の親友が言う。


「どうする・・・ええっと・・・」


「美雨です。橋場美雨」


自己紹介してくれた。


「美雨ちゃん、どうする?一旦帰る?」


「良ければ待たせて貰っても良いですか?凜夏に教えて貰わないと、終わりそうになくて・・・」


宿題でもやろうとしていたのだろうか。


「宿題やる約束でもしてたの?そこの机使っていいよ。分からない事が有れば教えるよ。一応、これでも2学年上だからね」


妹の方が賢いけど。


「はい、有難う御座います」


美雨ちゃんに宿題の考え方を教えつつ、俺は横で問題を解く。

結局、妹が帰って来るまでの3時間、一緒に過ごした。

宿題は1時間くらいで終わったので、後はテレビゲームで時間を潰していた。


--


「お兄さん、お待たせしました」


天使が来た。

何時もセンスの良い服装だが、今日は一段と可愛い。


高校合格のお祝いに何が良いかと聞かれて・・・

冗談でデートして欲しいと言ったら、まさかのOK。

一生の想い出になりそうだ。


「似合っているよ、美雨ちゃん。本当に可愛い。何時も綺麗だけど、今日は格別だ」


美雨ちゃんは天使の笑みを浮かべ、


「有難う御座います。今日は何時も以上に気合いを入れたんですよ」


すっと腕を組んできた。


どきん


心臓が跳ね上がる。


「お洒落してくれて嬉しいよ。じゃあ、行こうか」


そう言って、デートを開始した。


映画に、お洒落な喫茶に、小物屋・・・

精一杯考えたデートプランだけどぐだぐだで・・・でも、美雨ちゃんは文句も言わず付き合ってくれて・・・


最後は楽しかったと言い合って、別れた。

勿論、家まで送った。


本当に美雨ちゃんは天使だ。

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