【2万PV】妹の親友に告白しようとしたけれど、既に手遅れだった件。仲介を頼もうとした妹が真顔。そう、分かっている。俺のセクハラが原因だ。あの日に戻れたらやり直したい。
赤里キツネ
第1話 プロローグ
「・・・は?」
妹の冷たい声、真顔が、それに応えた。
俺は、決心した。
クリスマス。
恋人達の祭り。
日がもう無い。
俺には、気になる女の子がいる。
妹の親友だ。
是非彼女にしたい。
直接面識が無い訳では無いのだけど。
それでも、妹に仲介して貰おうと頼んで・・・
それで・・・
「・・・何を言ってるの?」
妹が、真顔で冷たく告げる。
それは、見込みが無いと言う事。
涙が溢れてくる。
自分は、選択肢を間違い続けたのだ。
もし戻れるなら、あの日に戻ってやり直したい。
二人が出会ったあの日から。
そう、中学3年生のあの日。
--
「友達?」
俺は、妹にそう聞き返した。
「うん。友達。だから、お兄は部屋から出ないでね?」
妹は警戒する様に言う。
俺は、いわゆる非モテだ。
勉強が特に出来る訳でもないし、運動が出来る訳でもない。
対して、妹は男女関係なく異常にモテる。
成績は全国クラス、スポーツも水泳で全国大会に出ている。
この差は何処でついたのか・・・
「分かったよ。部屋から出ない様にする。どうせ勉強漬けにならないといけないしな」
妹にそう言うと、俺は部屋の扉を閉めた。
--
とは言え、生理現象は抑えられず。
トイレに行く為、階段を降りる。
リビングからは、妹達の笑い声が聞こえる。
トイレの扉を開け・・・
そこに、天使が居た。
青く、長い髪。
大人しそうな顔立ち。
目を大きく見開いている。
・・・
はっ
「ご、ごめん」
慌てて扉を閉め、謝罪する。
「いえ・・・こちらこそ・・・鍵を締め忘れていました。ごめんなさい」
中から慌てた声がする。
「・・・その・・・今見た事は忘れて下さい」
恥ずかしそうに言う。
勿論、忘れるさ。
青い水玉は。
結局、この事は妹や他人の耳には入らず・・・俺は、一命を取り留めた。
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