前田薫八の「勝手に受賞作読んでみた感想文」

第9回MF文庫Jライトノベル新人賞

個人的おすすめ作品ベスト３

１位　ストライプ・ザ・パンツァー

２位　ダイス・マカブル 〜definitional random field〜

３位　猫耳天使と恋するリンゴ

　１位の「ストライプ・ザ・パンツァー」はパンツァーなので戦車のお話……ではなく、何とパンツのお話。主人公はパンツであり、ヒロインのパンツとして話が進みます。とんでもない設定ですね。しかし、なぜ主人公がパンツになってしまったのか、ヒロインが探している兄の行方とは。これほどまでアホらしい設定なのにしっかりと押さえるところは押さえた作品になっています。パンツが好きな人にオススメ！　嫌いな人はいないでしょう！

　２位の「ダイス・マカブル 〜definitional random field〜」は確率に裏切られる呪いをかけられた主人公のお話。呪いによって低い確率を確実にひいてしまう呪いにかかってしまった主人公が奮闘します。呪いを解くためには千人の呪いを集めなければならないというわかりやすい設定。呪いをうまく使って戦っていく主人公はカッコよかったです。ちょっと変わった戦い方をする主人公が読みたい人にオススメ！

　３位の「猫耳天使と恋するリンゴ」は天界のリンゴを食べたことにより悪魔に狙われることになった主人公のお話。それを回避するためにはリンゴの片割れを探すしかない。しかし、その片割れは幼馴染のヒロインが持っていて……。全体的に明るい感じのラブコメディ。明るい気持ちになりたい人にオススメ！

その他の作品の感想

「MONSTER DAYS」：現代風な世界にモンスターや魔法が出現した物語。現代ファンタジーと異世界ファンタジーのいいとこどりをしたような作品です。

「穢れ聖者のエク・セ・レスタ」：異世界でのロボットものになるのかな？　亡国の王子である主人公が聖女として崇められる義妹とともに復讐を志す物語。

「仮想領域のエリュシオン」：電脳空間で戦うバトルもの。生活費を稼ぐためにゲームで賞金稼ぎをしていた主人公たちだったが、ある日親友が正体不明のバグに襲われてしまい……。電脳空間ならではのバトルが好きな人にオススメ！

総評

　今回はバトルものが多かった印象。ラブコメの印象が強いＭＦとしては珍しいかもしれないですね。しかし、バトルの中にはやはりラブコメはしっかり組み込まれており、そこはさすがＭＦだと思いました。

　１位の「ストライプ・ザ・パンツァー」はこんな主人公ありか！？　と思えるほど特徴のあるキャラクターばかりだったので、やはりキャラクターが生き生きしているものは面白いですね。これはどんなライトノベルにも言えることかもしれませんが。