第3回小学館ライトノベル大賞

個人的おすすめ作品ベスト3


1位 その日彼は死なずにすむか?

2位 クイックセーブ&ロード

3位 あやかしがたり


 1位の「その日彼は死なずにすむか?」は一度死んだ主人公が記憶をそのままに過去に戻るお話。しかし、当然のごとくノーリスクというわけではなく、前回死んだ日までにあるものを集めないといけないという条件を出される。そのあるものの姿形もわからないまま、主人公は高校生から小学生の時代にまで巻き戻ってしまった。メインストーリーが小学生時代のライトノベルはなかなか見ないので珍しかったです。一つ一つの伏線がしっかりと最後には回収されており、とてもうまい作品だと思いました。


 2位の「クイックセーブ&ロード」は人生のある場面でセーブでき、当然ロードもできるという能力を持った主人公の物語。主人公は幼馴染が自殺する場面に出くわし、能力を使ってその運命を回避しようとする。しかし、その裏ではとある犯罪が隠れており……。日常系かと思いきやまさかのサスペンス小説で、ハラハラドキドキと読ませていただきました。人生においてもゲームにおいてもセーブ場所は慎重に。


 3位の「あやかしがたり」は妖怪などの化け物が登場する時代小説。時代小説らしくチャンバラもあり、政争などの裏側の戦いもあり、その重厚なストーリーは大賞の名に恥じません。俺ガイルで有名な作者のデビュー作としても有名。





その他の作品の感想


「今日もオカリナを吹く予定はない」:死角という化け物と戦う部活動のお話。死角を見るためには条件があり、その条件がなかなかユニークでした。


「やむなく覚醒!! 邪神大沼」:主人公が邪神という少し変わったライトノベル。最初は主人公自身自分が邪神だと気づいていなかったようです。軽い感じで読めるまさにライトノベル!



総評

 この回は上の賞に行けば行くほどストーリーの厚みが増しているように感じました。重厚なストーリーを重視した結果だったのかもしれません。ジャンルとしては時代小説がありますが、基本的には現代が中心。異世界もののような剣と魔法の世界はありませんでした。この頃のガガガからストーリーの重厚さを重要視するようになってきたのかもしれません。

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