前田薫八の「勝手に受賞作読んでみた感想文」

第8回ファンタジア大賞

個人的おすすめ作品ベスト３

１位　気象精霊記 正しい台風の起こし方

　１位の「気象精霊記 正しい台風の起こし方」は気象現象を精霊たちが操っている世界での話。主人公はその精霊たちで、台風を使って大暴走します。かなりハチャメチャな内容なのですが、勢いだけで読めるほどパワーがありました。ちょっとしたバトル要素もあり、エンタメ性は高い一作です。

その他の作品の感想

「杖術師夢幻帳」：宮本武蔵の相方として戦う夢想権之助が主人公の物語。歴史とフィクションがうまく混ざり合った一作です。

「友井町バスターズ」：小学五年生の少年少女たちが小さな町から宇宙まで様々な大冒険を繰り広げる一作。こんな未来もあったかもしれないと思わされる作品です。

総評

　歴史、ＳＦ、さらにはよくわからない気象バトルもの？　たった三つしかない刊行された受賞作ですが、なかなかバリエーションに富んでいるものが集まったと思います。

　特に「気象精霊記 正しい台風の起こし方」は現在でもなかなか分類分けが難しいほどオリジナリティにあふれた作品でした。こういうオリジナリティのある作品がこれからも出てきてほしいと思います。