個人的おすすめ作品ベスト３

１位　サ法使いの師匠ちゃん

２位　0.2ルクスの魔法の下で

３位　あやかし露天商ティキタカ

　１位の「サ法使いの師匠ちゃん」は詐術という詐欺まがいの話術で相手の魔法を使用不可能にするファンタジー小説です。おいおい、これ大丈夫なのかよ、というきわどいネタもありましたが、テンポよく進んで面白く読めました。ゴブリンの女の子が可愛いというのはまた珍しいなというましたね。ゴブリンって普通オスでやられ役なのに。ちょっと変わったファンタジーが好きな人にオススメ。

　２位の「0.2ルクスの魔法の下で」は異世界の王家の血筋の女の子と一緒に異世界に行こうとする話。行く話ではなく、行こうとする話です。つまり、最終目的は異世界に行くこと。物珍しさに結構感心させられました。最後までヒロインの女の子が主人公を振り回しているように見えますが、実は……？　ヒロインは結構お嬢様タイプの女の子なので、今回もドMな人にオススメ。

　３位の「あやかし露天商ティキタカ」は不思議な道具で主人公たちを導いていくお話。つまり、ドラえもんが女の子になった感じですね。でも、ドラえもんとは違い、道具を使う（買う）ためには代償を必要とします。ヒロインのティキタカが言うには、それは主人公の『人間』で支払うということでした。あまり道具を買いすぎると人間ではなくなってしまう。そんなちょっとホラーな要素も含んだ物語です。

その他の作品の感想

「イレギュラーズ・リベリオン」：ファンタジー。天才として軍関係の学校に入り、イレギュラーズという天才たちだけで構成された部隊に入る。しかし、一年後には落ちこぼれの部隊に所属することに……。シリアス風味です。

「一刀両断のアンバー・キス」：現代が舞台の和風ファンタジー。ヒロインたちの体の中に武器があるため、主人公がキスをして武器を取り出します。あの場面、意味があったんだろうか、という展開もチラホラ。

「百億の金貨と転生者」：ライトノベル版銀河鉄道の夜。死者を乗せた鉄道の中で繰り広げられる金貨を集めるためのバトル。そこに忍び込む策謀。そんな話が好きな人にオススメ。

「姉（かのじょ）と妹（カノジョ）の下着事情。」：最高の下着を作ることに情熱を燃やしている主人公のお話。ヒロインたちが巨乳と貧乳にくっきり分かれている印象。個人的には幼馴染の「ぬーん」という語尾は気に入りましたぬーん。

総評

　今回はファンタジー要素が多い作品が受賞作に並んだ印象です。ラブコメは姉（かのじょ）と妹（カノジョ）の下着事情。くらいでしょうか。それでもファンタジーとしては変化球が多かった印象です。２位の「0.2ルクスの魔法の下で」などは大変化球でしょうね。少なくとも、私の浅いラノベ暦ではこんなラノベは読んだことなかったです。

　ここまで第九回から第七回まで読んでみると、GA文庫大賞はファンタジー要素を多く含んだ作品が好きなのでしょうか。まあ、ファンタジーは夢がいっぱい詰まっていますからね。若者が好きになるのもわかります。この傾向が過去も続いているのかどうかは要検証でしょう。