いのちと向き合う物語。既に亡くなっているものの思いを聞いて、魂をあるべき世へ導いてあげる。喋るカラスとともに現れる彼らの名前は「影浪」、この世とあの世を漂うものたち。滞留する魂のもつ「心残り」をどう昇華するか。やり残したことを遂げさせるのもひとつ。無念の思いを聞いてあげるのもひとつ。影浪の数だけやり方があるし、魂との向き合い方がある。死んでいるものを相手にするぶん、どうにも暗く受け止められがちなテーマですが、読了後に去来する思いはきっと違うはずです。