第90話 ネズミ

俺は今、棒ネズミさんの国でデートをしている。

相手は誰か予想してみてくれ


「いや~栄治君からお誘いなんて嬉しいね~」

そう言って腕を組んだり、抱き着いたりといったツーショット写真をパシャパシャと撮っている。


「あの~、またネットに挙げるのやめてくださいよ?。それと誘ってきたのはそっちだと思うんですが」

正解は夏美さんでした。

土曜の朝おとなしく帰った後、13:00ごろ家に来た。


「朝ぶりだね、突然だけどネズミの国行こ~。拒否権はないよ?」

「今から行くんですか?」

そこまで遠くないとは言えこの時間から言ったら今日中に帰ってこれる気がしない。

「お姉ちゃんと一泊しちゃう?」

ニマニマと笑って言ってくる。

完全に遊ばれてるわ。


「いえいえ、間に合ってますので今日のところはお引き取りください。では、では」

玄関の扉を閉めて自室に戻った。


「さすがにひどかったかな…」


「ひどいと思ってるならやらないでよ」


「…っ」

驚きのあまり言葉にならなかった。


「それでさ~、明日の予定を決めに来たんだけど」

「な、なんでこ、こ、ここにいるんnえすあ」

「落ち付いて、これでも飲んで?」

ペットボトルを受け取り飲んだ。

「ふぅ…ありがとうございました。それで、何処から侵入してきたんですか」

「そこの窓から」

おかしいなぁ、鍵のほかにもいろいろとつけて開かないようにしたのに入られてるんだけど、全部外されてるし。

「あの、夏みかんさんは何者なんですか?」

「普通の両親のもとに生まれた普通の子?」

普通って知ってるのかな?

「どうやって、アレを外したんですか…」

「なんていうか、適当にしてたら外れた」

おっかしーな、そんなんで外れるわけないんだが。

っというか眠くなってきた…

「…なにか、い…れましたね…」

「ちょーっと眠っててね」


目が覚めると俺は裸で見知らぬ部屋にいた。

「どこだよ…いや、ここはホテルだろうな。ってか俺裸ってことは見られたのか…」

死にたい、ア”ア”しぬぅぅ


「おはよう、シャワー先に貰ったね」

「あっはい、おはようございます。じゃなくてどこのホテルなんですか」

「ここはね~、ネズミの国の中にあるホテルです」

「料金はどれくらいなんですか」

「お姉ちゃんもちでいいから気にしないで」

「気にしますよ、女性におごってもらうなんてカッコ悪い」

調べようとスマホを探すが見当たらない

「栄治君のスマホならないよ?連絡されて春ちゃんにチクられたら今度こそ殺されちゃうからね」

「ならやらなきゃいいでしょ…」

「そうも、行かないの。さ、シャワー浴びてきちゃいなよ」

「はい」

俺はもう諦めて夏美さんとのディズ、危ない危ない。ネズミの国を楽しもうと決めた。


ここまでが現在に至るまでの経緯

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