第91話 写真
「まずどこから行く?」
「そうですね、俺初めて来たんで何があるとかもわからないんですよ。だからなんとも言えなくて」
スマホでもあったら調べるんだがあいにく家にあるらしいしな…
「そっか~じゃあ私が決めていいよね?」
「お願いします」
夏美さんがぶつぶつと呟きながら悩んだ末に決まったのが雪の結晶の真ん中に骸骨の顔があるといった場所に来た。
*流石に消されたくないのでそれとな~くわかる感じにしております。
「2人乗りなんですね」
「そうだね~、きゃー」
夏美さんが抱き着いてきた。
「ちょ、ちょお。」
ホラーどころではなく、体に当たる2つの双丘が俺の理性を壊しに来ている。
「キャー、たうけてえ」
涙目になりながらさらに抱き着く力を強くしてくる。
ホラー苦手なら最初からやめときゃいいのに…
「大丈夫ですか?、流石に抱き着きっぱなしは危ないのでそろそろ話していただけると」
「いやぁあ、無理無理無理死んじゃう。」
「手つないでおきますし、目つぶっててください」
夏美さんの手を握って反対の手で目を隠した。
流石にこれ以上は見ていられない。
「ふぅ…、終わりましたよ」
「あ、ありがとう」
目元が赤くなっている、可愛い…
出口の近くで少し止まっていると係りのお姉さんが来た。
「あっ、すみません。すぐにどきます」
「あ、いえいえ。一緒に写真でもどうですか?」
係りのお姉さんはなかなかに可愛い衣装を着ていた。
そういえばこの人さっきから野郎とばっか撮ってたな、お仕事お疲れ様です。
「あ、じゃあお願いします」
俺は夏美さんと係りのお姉さんにゲートの前に立ってもらうように指示した。
「あ、そこらへんでおっけ~です」
俺は夏美さんのスマホを借りて構えた。
「あの…貴方は一緒に入らないんですか?」
「え?俺撮る専なんで」
「そ、そうですか…」
「じゃあ、ピースお願いします」
何故か夏美さんが係りのお姉さんのみみもとで囁いた後に係りのお姉さんの顔が青ざめていた。
まあ、写真はよくとれたしいっか。
私好みの男だ。彼女持ちだけど自分から別れさせるように一緒に写真を撮ってそれとなく連絡先聞こうと思って話しかけたのに写真を撮る側に行ってしまい彼女と写真を撮ることになってしまった。
「あの…貴方は一緒に入らないんですか?」
「え?俺撮る専なんで」
「そ、そうですか…」
ちっ、これじゃあ連絡先聞けない。どうする、どうすれば…考え事をしていると彼女が耳元で囁いてきた。
「残念でしたね、あの人鈍感だからそういうのは効きませんよ。それより彼女持ちにそういうのは感心しないですよ。」
「うるさいな…別にいいでしょ。私の好みだったんだから」
「あんま、調子乗ってると消すよ…?」
「ヒッ…」
この人の目のハイライトが消えた。
何?彼女ヤンデレなの?私殺されちゃう、まだ死にたくない。
私はおとなしくピースをして写真を撮ってもらった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます