第67話 日常が始まり、終わる
「なあ、廉?俺って誰かと付き合う資格ってあると思うか?」
『こりゃまた、唐突に…。そうだな、俺の個人的な意見としてはあると思うぞ』
「なんでだ?俺なんて逃げてばっかのクソだと思うんだが…」
実際、何からも逃げてばかりだと自分では思ってる
『あのなあ…いつからお前はそんなに卑屈になったんだよ。俺は、お前のことを尊敬してるんだぜ?』
「ははは。冗談はよせやい。俺なんて逃げてばっかの奴だぜ…?」
『自分では、そう思ってるのかもしれないが逃げたお前に会えて救われた奴がいるんだよ』
『俺だって、そうだ。あの頃お前に会えたから今こうやって表彰されるくらいになってる。お前と会えなかったら多分引きこもりになってたな』
はっはっはと、笑っている廉。
「そうか…、少しは自分に自信を持てたわ。今度暇なとき何かおごるわ」
『ってことは、こっちに来るのか。部屋きれいにしておかないとじゃん。』
「どんだけの、汚部屋なんだよw」
『気になるなら、写真送ってやろうか?』
「遠慮しておきます(笑)。じゃ、本当に助かったよ…おやすみ」
『おやすみ』
変わらねえなあ…。だけど彼奴のおかげで、靄が晴れてきた気がする。
「京か春かはたまたどっちとも付き合わないのか…、もう少しだけ考えさせてくれ。
結論は必ず出す…」
俺は満月をみながらぽつりと呟いていた。
「おはよう、京、燐」
「おはよう、お兄ちゃん」
「おはよう、栄治君」
俺たちは、朝の挨拶をかわし朝食をとって学校に向かった。
「おはよう、栄治、京」
「おはよう、春」
「おはよう、春」
ようやく、お互いを名前だけで呼べるようになった。
現在が12月に入ったばっかなので、何か月かかってるんだって話ですね、ハイ。
こんな感じで、何が起こるでもなくただただ日常が過ぎてゆく。
だが、日常が続き始めた数日後に事件が起こるのは、この世界の理なのかもしれない
やだ…今の厨二臭い。恥ずかしい
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