第43話 体育祭 終
「いよいよ残す種目は、この選抜リレーだ。盛り上げてけ~」
「「うぉぉ」」
御覧のとおり、最後の種目とあってみんなテンションが上がっている。
かくいう俺も少しばかり上がっている。
「on your mark set]
バンッ。
スタートダッシュは、我らが1組が若干リードしていたが、春率いる2組が追い上げてきて今は並走状態である。
「すげぇ、どっちも同じくらいのスピードだ…」
思わず声が出てしまう。
やっぱり、選抜に選ばれるだけのことはあるよな…
俺だったらスタートして数秒でばてる自信あるもん。
並走状態のまま第2走者にわたった。
若干1組がバトンパスをミスってしまい2組に5メートルくらい離れている。頑張って走って第3走者につく頃には1メートルにまで追いついていた。
はやい…あそこから1メートルまで追いつけるなんてうちのクラス俊足率高くね?
「ねえねえ。ちょっとカッコよくない?」
「そうだよね、ちょっとこれが終わったら彼女いるのか聞いてみようよ」
よかったな。お前らモテモテだぞ。
凄いなぁ、人の認識ってこうも変わるもんなんだね。
まあ、俺の個人的に思ってることといえば、運動ができたって、勉強ができなきゃ意味ない気がするんだよね…
だって最近の企業って頭いい奴から選ぶこと多くね?これは個人の意見だからね?
本当にそうかは知らないよ?
だから、俺勉強駄目だけど、運動できてよかったわって言ってるやつの気が知れない。
っと、そんな事より第4走者だ。この時点で1組と2組の独断場だ。ほかのクラスは気にされていないみたいだ。
お気の毒に…
第4走者は我らが櫻だ。
完璧な見た目に、文武両道。
女子からはモッテモッテだ。だが、あいつは誰とも付き合っていない。
不思議だ。もしかしてソッチ系なのだろうか?俺はそんな些細なことは気にしない。櫻は櫻だしな。
アンカーにつく頃には1組と2組の差が10メートルくらい離れていた。
櫻がぶっちぎって2組を突き放したのだ。
流石親友、ジュース4本おごっちゃう!
アンカーは細マッチョの藤井くんだ。
頑張れ藤井。
2組はアンカーに神速を選んだらしい。名前の通り早く、櫻が作った差がもう縮まり始めた。
藤井、お前はまだやれる男だ、がんばれ。
「ゴールテープを切ったのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
みんなが息をのむ。
「わからないので、ビデオ判定します。」
なんということだ。高校のリレーにビデオ判定までついてるなんて。
「ただいま結果が参りました。」
「それでは、第1着は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1組です。」
うぉぉぉ。みんなが立ち上がって喜んでいる。
「胸が最初にゴールラインを僅かな差でこしたのが1組でした。奮闘した試合を見せてくれた2人に大きな拍手を送りましょう」
2,3年生も奮闘していたが長くなってしまうので割愛!!
「皆様、お疲れさまでした。どうでしたか?3年生は最後の体育祭じゅぶんに楽しむことができましたか?1年生の皆さんは初めてでしたが、楽しかったですか?
2年生の皆さん。来年はこれを超えるぐらい盛り上がらせてください。
これで話を終わります」
「おつかれ~、いやぁ、惜しかったなぁ~」
「おつかれさん、確かに腕が長くなかったら負けてたかもしれないからぎりぎりの戦いだったな」
「そうだね、栄治君も真剣な顔で見てたからびっくりしちゃった」
春は、悔しそうに、京はニコニコと。
あぁ、これが俺にとっての日常なのかな…。
悪くは、ないのかもしれないな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます