第44話 燐、恵美、紗季

体育祭も終わり残り2日となった。

「あと少しで、休みだ」

まあ、土曜日は春と出かけるから、日曜日だけなんだが。


体育祭が終わりカップルが少し増えていた。

なんなんだろうね、お祭りごとの時に告白すると大半がOK返事をしてくれる。

これは、脳みそが鈍っていて、吊り橋効果に似たようなものである。

だから、数日したら大半が別れている。

ノリだけで、返事をしないほうがいいって事やな、男子、女子諸君注意してくれたまえ。


そんな馬鹿なことを考えているうちに最後の授業がおわったらしい。京が俺のところまで来ていた。

「帰るか」

「私、今日友達と遊んで帰りますね」

「りょーかい」


久々に一人で帰るか…

丸まっていた背骨をまっすぐに伸ばしてから俺は玄関へ向かった。

「あれは…」

校門付近に燐とそのほかに2人女子がいる。

俺は速足で燐のもとへと向かった。


「燐?なんでこんなところにいるんだ?」

「あのね、兄さん…」

燐は申し訳なさそうな顔をしている。

というか、外では兄さんなんだね…まあ別にいいんだけどさ;;

「この人が燐ちゃんのお兄さんなんだね」

「あ、私たち燐ちゃんの友達の恵美と紗季です」

お、おう・・・・苦手なタイプだ。

「それで、お兄さんの嫁候補はどこにいるんですか?」

なんだこいつらめっちゃグイグイ来るな。嫌いだ。


「一人は、部活で一人は友達と遊んで帰るっていってたからいないよ」

なぜかにやにやと恵美と紗季はしている。なんか俺変なこと言ったか?

「お兄さん、今から私たちとデートしましょ」

「エ‘‘、それはちょっと拒否したいんですが…」

「そんなことしたら、あることないこと言いふらすよ」

燐さん、放心状態になってる場合じゃないぞ?お前の大好きなお兄ちゃんがピンチだぞ?

「燐?ちょっとした冗談だよw」

「じょう・・・だん?」

「そうそう。学校でどんなイケメンから告白されても断るし誰か好きな人がいるのか聞けばいるっていうから謎が多いのよ。」

うんうんと恵美はうなずいている。

「で、口を開けば兄さん。兄さんっていっつも言ってるからちょっとカマをかけさせてもらったの」

「まさか、燐の好きな人がお兄さんだったとはね」

そういわれて気づいたのか、燐は顔を真っ赤にしていた。

「私、そんなにお兄ちゃんの事言ってた?」

「へぇ~、家だとお兄ちゃんって呼んでるんだね」

あっ、とめちゃくちゃテンパっている。

「燐、一回落ち着け?これ以上話してもぼろが出るだけだぞ」

「流石、お兄さん」

いや、校門で困こんなんやってるんだぜ?一回落ち着かせてから別の場所に移動するためってのもあるから、普通ぐらいだと思うんだが。

「落ち着いたっぽいし、別の場所へいこう」


俺たちは近くのファミレスへ向かった。

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