第42話 体育祭5
「続いては、大玉送りです」
いよいよ来た。
大玉送りで大変なのは一番最初の人と一番最後の人だ。
最初は男子の力で思いっきりぶっ飛ばし、玉運びは女子の正確性を重視した、並びとなっている。
「どんどん、つめてこ」
そういって間をどんどん詰めていく。
ぷにゃん、とでも効果音でつきそうなほど柔らかい感触が俺の背中にあたっている。
「京?なんでそんなに押し付けてきてるんだ?」
京は、
だから、故意にあてに来なければこんな感触が来るはずがない。
「できるだけ、詰めて手を上に挙げているので当たっちゃうんだよ」
と顔を赤くしていた。
そうなら仕方がない、我慢せざるおえない。
そこからは、意識を背中に行かせないように張りつめていたので大玉送りのことを覚えていない。
結果としては、何とか1位になれたらしい。
出場するものもなくなったし、何して残りの時間をつぶすか…
「春のところんに行くか?」
「そうだね」
ということでやることがなくなった俺たち(京の場合は男子から残って応援してくれと頼まれていたが、やんわり断っていた)は春のところまで遊びにいった。
「よっ、どんな感じだ?」
春たちのクラスの状況を聞いてみた。
「そうだね、1組を最後の選抜リレーで向ければ優勝みたいな感じだと思うよ、今の点数的に」
なるほど、しっかりと計算をしているみたいだ。
「これは、女子のみなさんに応援をより一層頑張ってもらわないと危ないかな?
なあ京?」
「そうだね、でも私は口パクでいっか」
声なんて、聞こえないから口パクで、応援してる風にするってのか…
京、恐ろしい子
「あ、そうだ。今週の土曜日暇?」
「そうだな。特にやることないからゴロゴロしてるけど?」
「ちょっと買い物行かない?」
「俺は、別にいいけど?」
チラッと京のほうを見る。
「行ってきていいよ。私は来週ね」
ああ、なるほど
「りょーかい」
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何とかデートに誘うことができた。
京もちゃっかり予約してたし。多分再来週には燐ちゃんが予約するだろう…
私と一緒が一番楽しかったって思わせられるような場所に行こうっと、
体育祭なんてもういいや。どこに行くか決めないと、クラスの女子にどんなところがおすすめか聞いておこう。
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春さんが本格的に動き出してきましたね…
再来週は多分燐ちゃんが予約するだろうし、私と一緒が一番楽しかった、ゆっくりできたと思ってもらえるような場所を選ばなくては、これが終わったらしっかりネットで調べておこうっと。
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