第27話 日常(?)

それぞれの出場競技を決め終え、今のところは暇になっている。

「やっぱ、なにもないっていいな…」

俺は平和な時間をかみしめていた。

「えー、来週また転校生が来ることになった。」

なんだこの学校…転校生多すぎんだろ。そう思っていたのは俺だけらしく、男子どもはその転校生が女なのか男なのかでそわそわしていた。

「その転校生は女子だから、みんな仲良くしてやれよ」

それだけ言って担任は帰っていった。

「まーた、女子なんだ…」

この学校の転校生率は女子が多いというか女子しか今のところ来ていない。

何なの?この学校なにかブランドでもついてるの?

そう思うほど女子の転校生率が多かった。


さっさと帰るか…

そう思い帰りの支度をして京を呼んだ。

「京、俺は帰るけど、どうする?」

「今日はみんなでカフェに行ってきます」

「わかった」

端的に答え俺は家に帰ることにした。

その途中で春にあった。

「よ、今日は部活しないのか?」

「今週は顧問がいないから休んでるの」

「なるほど、じゃあな」

俺は、下駄箱から靴を取り出して履き替えた。

「京は?」

「ああ、なんか友達とカフェに行くんだって」

なるほど、と春は納得し、顔を赤くしながらごにょごにょと何かを言い始めた。

「ひ、久々に一緒に帰らない?」

特に断る理由もないので俺は了承した。


「二人きりなんて久々だね~」

「そうだな、基本春は部活だし無かったとしても京もいるしな」

そう考えると久々だな~、

「あ、そうそう俺らのクラスにまた転校生が来るんだってさ」

「で、それはどっち?」

あれ?久々に目から光がなくなったぞ?

「女だって言ってた」

「へー、女、へー、なんか嫌な感じがする」

怖い、最近来ないからと油断していた。

「安心しろ、俺にはお前らがいるから」

「おまえら?ねえ?なんで、なの?あなたの彼女は一人だよ?」

しくったー。俺の人生終了、お父さん、お母さん、燐よ今までありがとうな。

「そ、そそそうだよな。俺は何を言ってるんだろうな、俺が愛してるのはお前だけだよ」

「え…?」

急に赤面してくねくねし始めたと思ったら走って帰ってしまった。

「やらかし案件かな…」

背後から冷ややかかつ聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「兄さん…?」

「り、燐...?」

なんだ、いつもと様子が少しおかしいぞ…?

「燐、どうした?なんか様子がおかしいぞ?」

疑問に思ったことを聞いてみたが答えは返ってこなかった

「兄さん、いやお兄ちゃん?」

お兄ちゃん?兄さんじゃないのか?

「お兄ちゃんは、ダレニモワタサナイヨ…」

突如燐が抱き着いてきたと同時に痛みが腹部を襲った。

「それは…俺の部屋にあっ・・・たは…」

そこで意識が途切れてしまった。

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