第26 競技決め

体育祭実行委員に指名されてから数日が経った。

あの日から普段以上に男子からのあたりが強い。

俺に当たったって仕方がないだろうに…と最近はあきれ始めてきている

「次はLHRか…」

誰がどの競技に出場するのか把握しなくてはならないので教壇に立って聞かなければならない。

「はあ…」

思わずため息をついてしまった。幸せが逃げちまったかな?

俺はみんなの前に立って何か行動を起こすタイプの人間じゃないし辛いな。


キーンコーンカーンコーン、授業開始のチャイムが鳴った。

「席につけー」

担任が入ってきて早く座るように促す。

「体育祭実行委員は前に出てこい」

俺と京は教壇まで出る。

「えーと、じゃあ出場する競技を決めていってくれ」

「わかりました」

「では、まず大玉送りから、誰か出る人いませんか?」

そう聞いたが、女子は、体力に自信のなさそうな人達がちらほら挙げていたが、男子は目立つ競技に出場したいのか誰も手をあげない。

合法的に女子と密着できるかもしれないんだぞ、出場しなくていいのか?と言いそうになったが軽蔑の目を向けられそうなのでやめておくことにした。

「えーと、じゃあ障害物競争出る人」

これは男子の中で数人手があがった。

お前らの基準は何なんだ?俺にはよくわからん。

こんな感じで淡々と決めていき最後の種目になった。

「では、最後学年リレーに出場したい人挙手してください。」

待ってました、とばかりに男子が手を挙げていく。

中には、お前その体系でマジで言ってるの?というような奴も手を挙げていた。

「えーと…」

流石に無理だなと思うやつは手を下げさせたがそれでも7,8人は残っている。

「その中で、50メートルのタイムを教えてください」

振り落としをするために聞いていった。

そして、タイムが早いやつから順に記入していったが一応虚言の可能性もあるので後で体育科の教師に聞いておく。

もれた奴らはなんでこんな地味なのにとか言っていたが知ったこっちゃない。

「あそうだ、体育祭実行委員は出場するのは大玉送りにしておけ、仕事がたくさんあるから」

「「はい」」

言われなくても大玉送りにするつもりだったんだけどね

「京記入ありがと」

「大丈夫ですよ」

体育祭まであと5週間といったところか…

1週間前になったら放課後も練習しなきゃいけないのかな、早く帰りたいな…


「栄治くん、放課後ちょといいかな?」

「暇だから別にいいよ」

というか放課後もなにも一緒の家に住んでるんだから今言わなくてもいいんじゃないですかね?

おかげでさっきから視線が痛いよ?

ねえわざとなの?それとも気づいてないの?

いずれにせよ恐ろしいものだ…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る