第25 体育祭実行委員

数日が経った今もまだ噂が流れている。


今日の総合学習にて担任が

「そろそろ体育祭の季節だ、なのでお前たちの中から実行委員を男子女子の中から1人ずつ出して欲しい。まず男子から誰かやりたい奴はいるか?」

もうそんな時期なのか…、まあ実行委員なんて、イケイケでTHE青春してます的な奴らがやるんだろうし、競技だって楽なのしか出る気ないから寝てるか。

俺は本を読むことにした。


「なんだ?誰もやらないのか?」

どうやらみんな立候補しないらしい。

あれか?立候補したら何こいつ目立ちたがり屋かよって言う周りの目気になっちゃってるのか?別に気にしないでいいからさっさと決めちゃってください。


「仕方ないな、女子の方誰かやりたい奴いないか?」

女子の方が出てくる奴いないと思うけどな…

だって女子の方がそう言うのキツそうだし。と思っていたが知っている声が聞こえてきた。

「はい、誰もいなさそうなので私がやります」

ほー、京がやるのかなら男子はもっと決まらなくなったな。

「おぉ、京やってくれるのか、じゃあ前に来てくれ。それじゃあ男子誰かやる奴いるか?」

担任がそう言うと俺と櫻以外の男子全員が手を挙げた。

ほーら、こうなる。どうせ、これを機に仲良くなって恋仲まで発展させようとしているんだろう…

流石に、担任も京も苦笑いを浮かべている。

「多いな、どうやって決めるか。」

無難にじゃんけんでいいんじゃねえのか?と思っていたところ京がこちらを見て微笑んだ。

「嫌な予感がする…」

俺は今すぐ逃げ出したかった。

此処で京が口を開けた

「先生、男子の方を決めるのは私でもいいですか?」

頼むぞ担任お前だけが頼りだ、そこできっちりと断ってくれ。

「うーむ、だがなあ…」

そうだしっかりとダメだと伝えろ…

「ですが、2人で仕事をするんだったら信頼関係が必要だと思います、なので私に決めさせてください」

断れ、いや断ってください。

「そうだな、よし決めてくれ。よしお前ら机に伏せろ、俺が顔をあげろと呼びかけるからな、選ばれた奴の前に居るからな」

手を挙げた男どもは、素直にしたがった。

従順ね、櫻なんて寝てるし…

俺には関係ないので顔をあげて本を読んでいたところ背後から目を隠された。

「なにも見えないんですが…」

あっるぇ?停電でも起きたのかな?

おかしいなあ今は昼間なのに。

「よし、お前らみんな顔を上げろ」

担任が呼びかけた、そうするとあちらこちらから

「うわー」などと言う落胆した声が聞こえるが未だに何も見えない

「そろそろ、視界を戻していただけませんかねー」

うっ、目が痛い。

「と言うことでよろしくね?」

「拒否権は?」

「ないです」

「デスヨネー」

そもそも、京が立候補した時点で嫌な予感はしてたんだよな…

周りからは、アイツばっかりなんでだ、俺じゃ何がダメなんだとボヤいている

直接聞けや、と思いつつも前にでた。

「えー、まあ、皆様の体育祭を楽しくできるように頑張りますので、よろしくお願いします」

とごくごく平凡な挨拶をしたところで終了のチャイムが鳴った。

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