第22 家にて

俺は燐の部屋にて説教中であった。

「兄さん、どうして兄さんは女の子を家に呼んでしまうんですか?

そもそも私は京さんと一緒の部屋で寝ていること自体に不満があるんですよ。兄さんからもなんかいってくださいよ」


すみません、すみません。こんな奴が兄ですみません。

「だってな…」

「言い訳なんて聞きたくありません」

「すいません…反省してリビングで寝ます。今後気軽に家に呼びません」

「そんな口約束で信じられると思いますか?だって兄さんですよ?」


そうですよね…俺への信用度なんて、マイナス値に行ってますもんね。

「契約書を書けばいいのか?」

「そうですね、それならまだ信用できます」


俺は契約書を書いて解放してもらった。

「遅かったね」

「なにかありましたか?」

「お説教をされてました。」

「ふーん、それよりも噂をどうするかだけど私なりに考えて来たの」

「私も考えました」

「どっちから話す?」

「お先にどうぞ京さん」

「では、私はもっとインパクトのある噂を流して今の噂を消し去ればいいと思います」

「なるほど…、インパクトのある噂ってどんなのか考えてたりする?」

「…考えてあるんですけど…」

「ごめん聞こえんかった。おじいちゃんの為にもう一回言ってくれるか?」

「え、いいえ。まだ考え中ですので」

「そうか、これに決まったら内容も考えないとな」

「お次、春どうぞ」

「噂を消すには流したやつの息の根を止めるのがいいと思いまーす」

「うん。却下、出来るだけ穏便に済ませようか?」

えー、と膨れているがそんなことをしてもダメである。

「京の案を実行するか」

「ねえ、燐ちゃんに聞いてみるのは?」

え…?燐に聞くだって、さっき説教くらったばっかなのに学校でこんな噂が流れてるなんて知られたらただでさえ兄としての威厳(笑)なのに威厳(爆笑)になっちゃう

「燐には話さないでおこう。兄としての肩身が狭くなるんで」

「ああ…」

「そ、そうですね…」

そんなに気を使わないでくれ…どんな感じでいればいいかわからなくなるから。

「そ、そんなことよりだ、どんな噂にする?」

「そうですね…実は春さんと栄治君が付き合っていなかったってのはどうでしょう」

「ああ、それなら衝撃的ではあるな…それでいいか?」

「えぇ…嫌なんだけど」

「じゃあどうする?」

「そうだねー、京さんと私と栄治が一夜を共にしたってのは?」

「うん、それは衝撃的ではあると思うけどあらぬ誤解を受けるんだが」

「じゃあ、実妹も一緒にって付け加えておきますか?」

「京さん?悪ノリ、ダメ、ゼッタイ。社会的に死ぬから」

「社会的に死んでも私は愛し続けますよ?」

「わ、私も」

「あ、ありがとう?」

今、告白された…のか?

「どっちにする?」

「「後者で」」

なんで後者なんですかねー。

「夜道の背中が怖いよ…」

「大丈夫夜に歩かなきゃいいだけだから」

そういう問題じゃないんだがな…


「そうっと決まったら記事を作成するぞー」

「おー」

乗り気だな

「あんまり行き過ぎた内容にすんなよ」

「「りょーかい」」

と敬礼をした。


SPでもつけようかな…と本気で悩んだのは内緒の話

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る