第19 過去2

「おはよう、春」

「お母さんおはよう」

私は昨日のことを話していない。

「遊んで来るね」

「あんまり遅くならないようにしなさいよ」

「はーい」

玄関で栄治君を待っていた。

「おはよう、早いな」

「おはよう栄治くん」

「行くか」


私は栄治君の後をついて行くことにした。

「お前は何であんな時間に歩いてたんだ?」

「あの、えっと…」

「いや、やっぱいいや。話したくないもんを無理に聞く趣味はないから」

「栄治君はなんであそこにいたの?」

「ああ、最近基地に人がいるから追い出そうと思って昨日たまたま行っただけだ。

でも昨日行ってよかったよ。」

「本当にありがとう」

「いや、気にすんな。あそこは俺たちの心の拠り所なんだ。

ここだけの話だが、廉あいつは天才だ。物作りに関してはどんな奴にも負けないと思っている。それ故に周りから理解されない。

俺はどーしようもないバカだ、好奇心でついつい、行動しちゃうだから学校でも馬鹿にされるそれも全員からさ…

理解されないやつと馬鹿にされ続けるやつの拠り所があそこってわけ」

「私は、学校でいじめられているの。理由はわからないだから一人になりたくて夜歩いていた。」

「そっか…。お前が良ければこれからも遊ぼうぜ」

「うん、よろしく」


「おっす、栄治」

「おはよう廉」

「おはよう廉君」

「おはよう春ちゃん」

「さてと、片ずけをしますか」

俺たちは床に水を流しデッキブラシで擦った

「いやーフローリングでよかった。」

「だな、畳だったらめんどくさいこと極まりないしな」


掃除も終わり時間いっぱい遊んだ。

「時間も時間だから帰るか」

「そうだな、栄治送りも頼むぜ」

「あいあい」

「じゃあなー」

「バイバイ」


「今日はとても楽しかった」

「そりゃ、よかった」

「私、強く生きるよ。2人のように」

俺は、なんも強くないんだけどな…

「頑張れよ…」

「え?」

声が小さくて聞こえなかった。

「おっ、着いたみたいだなじゃあな」

「う、うん。じゃあね」

凄く、胸が熱い。なんでだろう。別れるってなったら胸が締め付けられるような感じがする。

私は小さく

「病気…なのかな?」


「強く生きるか…」

俺は何も強くなんてない。

学校に行ってない。

「俺も学校行ってみるか…」



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