第5 ひみつ道具

「おはよう」

最近は玄関前に来ており一緒に登校している。

幸い両親にはまだバレていないが燐にはバレた。

「兄さん、なんでこの人がいるんですか?」

「うーん?なんでだろうね」

聞かれてもお兄ちゃん困っちゃう〜

自分でやってて吐き気がした

「なに?ご不満でしたか?」

「ヤバイ…光がなくなってきてる」

「光がなくなってきてる?」

燐は見たことないからわからないのも無理はないだろう

「ご不満なんてとんでもありません。さあ急がないと学校に遅れてしまいますよ」

「うん」

よかった…マジでめんどいぞ。今までこいつに告白してきた男ども見る目が…

「兄さん?」

おいおい、マイシスター君も光がなくなっているぞ。

「燐、あとでしっかり話すし、なんでも言うこと聞いてやるぞ」

「なん…でも?」

「そう、なんでもだ」

「じゃあ腕組んで登校しよ?」

「えっ!?難易度たかすぎませんかね?」

「なんでもって…言ったのに…」

ヤバイ、ヤバイまたなったよ

「わかったって、腕を組めばいいんだろ?」

「ありがと、兄さん」

セーフ。朝からやばすぎんだろ

「栄治君?私も組みたい」

どうせ断ったらアレだろましてや一人も二人も変わんねえよ

「どうぞ」

「ありがとう」

こうして俺は朝から目立って登校した。


昼休みになって俺はスクールカースト中位層の男3人組が声をかけてきた

「おい栄治、お前ちょっと廊下でろや」

「校内1の幸せもんさんよ、早く来いや」

なんだあいつら本性を知ったら俺を兄貴と呼びたくなるぞ

「櫻、行ってくるわ。通話状態にしておくからヤバイと思ったら助けに来て」

「あいよ」

俺は渋々涼しい教室から退出した。


「お前よ、小日向さんともう一人の美少女と腕組んで登校して来たらしいじゃねえか」

「もう一人?ああ妹のことね」

「妹だあ?嘘ついてんじゃねえぞ」

「ガチなんだよなぁ、似てないけど」

「んなことはどうでもいい、てめえばっかいい思いしてるのが気に食わねえんだよ」

そう言うと俺を囲み殴りかかって来た。

「うおぉ」

私の戦闘力は0.5です。はい、非力なんですよ。

「いって〜」

頬をさする

前までの俺ならある程度殴られ終わってから櫻に助けてもらうのだが今日は違う。

「てれれれってれー、催涙スプレー。」

とりあえず目にぶっかけなきゃどうにかなるだろ…

俺は周囲に撒き散らし教室へと逃げ込んだ。

「どーさい、今日はやられっぱなしじゃなかったぜ」

「ここにいてもあいつらが騒いでいるのがわかるぞ」

「催涙スプレー先生つおい」

いや〜買っててよかった防犯グッツ。

みんなも一応買っておこうね

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