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そして日曜にある参観日。
何度も先生にダメ出しをされ、女子児童が集中して聞いてくれるよう書いた作文。それとプレゼントであるマグカップを用意した。
制服は参観日という事で今日はおとなしめに制服下にスカートのようなペチコートをはく事にした。
長めなので安心な丈だし制服の下にフリルがいいかんじに出て可愛いと思う。
これはリーチ君達のアドバイスではなく、私なりに考えたものだ。
そして授業の開始。今日は何のトラブルもなかったらしいので、志水先生がゼロ組で授業ができるらしい。本当によかった。
そして教室に一番最初に現れたのはリーチ君のご両親。見た目がやたら若くて、大学生の娘さんもいるようにはとても見えない二人だ。
私にとっては事務所社長とその夫人。社長の方はふっくらとした優しそうなおじさん。社長夫人の方は元女優だと聞いて納得の美貌の持ち主だ。二人が私にも手を振ってくれたので私も頭を下げる。
「もー二人とも若作りをしてー」
リーチ君は少しだけ照れくさそうだ。文句を言いながらも二人で来てくれた事が嬉しいのだろう。
次に現れたはザクロ君のお母さん。こちらは前にも会った事がある。着物姿の小柄な人だ。
「桜さん、いつも着物でかっこいいね。おしとやかなかんじ」
「昔はお転婆だったらしいよ」
私がザクロ君に小さく囁くと、ザクロ君も小さく返す。
なるほど、ザクロ君の運動神経はお母さんから遺伝したものかもしれない。
次に教室に現れたのはたすく君のお父さん。
思っていたより背が低いけれど、たすく君とよく似た優しそうな顔をしている。ただし服装のセンスがびっくりする。なんでそんな緑のどぎついジャケットを着ているんだろう。
「お父さん、自分が暑くもなく寒くもなければいいと思ってるから……」
「け、健康管理は大事だよね」
誰かに言われる前に『服装に無頓着』と自己申告するたすく君に、私はフォローを入れた。
そして最後にやって来たのはうちのお父さんだった。
やっぱりこの場の誰より背が高く、服装もあか抜けている。背が高いから服がよく見えるのと、今の彼女がコーディネートした服のせいだろう。
「小夜子ちゃんのお父さんかっこいいね。背が高いし俳優さんみたい」
「いや、あれは本当に格好いいな……」
「やっぱり身長は遺伝なのかな……」
男子全員がそうほめてくれるのなら不思議と悪くない気持ちになる。その気持ちから私がお父さんに手を振ると、お父さんも静かに手を振り返した。
「はーい、それじゃあ授業を始めますよー」
いつもよりもっと真面目な格好をした志水先生はいつも通りの様子で授業を開始した。
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