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「当然行くに決まってるだろ!」
「うん、分かった。その覚悟、受け取ったよ」
あなたの決意を確認して、リコスは転移魔法を使う。その先で待ち構えているのは激しい戦場だ。きっと命の保証なんてないのだろう。
それでも彼女が必要としてくれた、あなたにとってそれだけで危険な橋を渡る理由は十分だった。転移が終わった時、目の前に広がる予想以上な悲惨な状況にあなたは言葉を失う。
それは人と人同士の戦争ではなく、人類と魔物との戦争だった。能力的に秀でている魔物達の侵攻に多くの人間の集落は徹底的に蹂躙され、見る限り、かつての平和な面影はどこも残ってはいなかった。燃え盛る炎と肉の焦げる匂い。地獄があるとしたならこんな光景だろうと言うそれがあなたの目の前に広がっている。
「もう引き返せないからね」
そう言ったリコスの服装は本格的な魔道士のものに変わっていた。きっとこれが本来の彼女の服装なのだろう。手にした杖からは歴戦の魔法戦士の魂すら感じさせている。
「上等だぜ、ここで俺は何をすれないい?」
「あは、流石は勇者」
あなたは強がりを口にして自分を奮い立たせる。きっとこの先いくつもの困難が、激戦が、あなた達の前に立ち塞がる事だろう。
けれど、きっと2人は力を合わせて乗り越えていくに違いない。彼女の求めたあなたの力が、きっとこの世界を救う鍵となる。2人は顔を見合わせて、この世界を襲う理不尽に反抗の狼煙を上げたのだった。
ここから先の物語はまたいつかの機会に――。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886424135/episodes/1177354054886600486
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