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「どうしたの?」


 ビルの前で葛藤しているあなたを不審に思ったりコスが声をかける。そんな彼女をわざわざ危険な目に遭わす訳にも行かないと、あなたは首を左右にブルブルと振って気持ちを切り替えた。


「いや、何でもないよ、行こう」

「うん?」


 イマイチ納得していないようなリコスの背中を押して、あなたはビルを後にした。そのまま歩いていると、休憩するのにちょうど良さそうな公園を発見する。


「ちょっとひと休みしよっか」


 あなたはそう言って彼女を誘って公園に入った。そうしたところで急に上空の空の様子が怪しくなる。段々と厚い雲が発生して天球を埋め尽くし始めたのだ。

 厚い雲は上空をどんどん埋めていき、かなり暗くなっていく。この様子だとその内大雨でも降ってきそうな雰囲気だ。風は不穏な雰囲気を孕みながら、あなた達の周りにねっとりとまとわりついてくる。

 それなりの修羅場を経たあなたにもこの状況に野生の勘が働いた。


「何かが近付いてくる……まさか……」

「そう、敵だよ」


 あなたの予感をリコスが補完する。理由はさっぱり分からないものの、どうやらあなた達に向かって敵がやってきたらしい。突然の戦闘モードに緊張感が高まっていく。


「逃げよう!」


 正体の分からないものといきなり戦うのはリスクが大きすぎると判断したあなたは、リコスの手を握るといきなり駆け出した。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054886424135/episodes/1177354054886445795

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