122

「いや、何かヤバイって! 止めとこうよ」

「えー、仕方ないなぁ」


 ドアをノックしかけていたリコスは、あなたの言葉に仕方なくその行為を中止する。それから小屋の住人に気付かれないように、こっそりとこの場所を後にした。


「それにしてもどうやってこの森を抜け出せば……」

「え? 楽しんでた訳じゃなかったんだ?」


 あなたが今の悩みをポロッと口にすると、彼女はまるで今初めてあなたの気持ちが分かったみたいな感じで目を丸くする。この反応には逆にあなたが驚いてしまった。


「当たり前だよ! 誰が迷うのを楽しめるんだよ!」

「そう言うの、もっと早く言ってくれれば良かったのに……」


 リコスはそう言うと右手を頭上に高く上げる。すると2人の足元に魔法陣が発生した。そう、彼女は転移魔法の使い手。道に迷ったら知ってる場所まで魔法で戻れば良かったのだ。

 今更ながらに彼女の余裕の理由が分かったあなたは、少し複雑な気持ちになっていた。


「それーっ!」


 彼女のその一言で、あなた達は森から別の場所に転移する。こうして気が付くと2人は全く別の場所に転移していた。


 そこはどうやら見晴らしのいい丘の上らしい。心地良い風があなたの頬をくすぐっていく。隣を見るとリコスもその気持ちいい風に目を細めていた。

 折角いい感じの丘に来たのだからと、あなたはこの場所らしい行動を取る事にする。



 頭上の広大で真っ青な空を見上げる

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886424135/episodes/1177354054886558130

 眼下の景色を覗き込む

https://kakuyomu.jp/works/1177354054886424135/episodes/1177354054886558185

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る