文字とセックスと煙草

煙草

僕はソフトパックよりもボックスを好む。

火をつけてしばらく吸ってからフィルターのカプセルをパチッと潰す。

ブルーベリー味の煙が過去を呼び起こす。

もう裸の感情で話せる女の子はいない。僕が息の根を自ら止めたのだ。

どの女性とセックスを繰り返せど性的快感の膜は破られない。もはや僕の感情の厚着を一枚一枚丁寧に脱がす女はいないだろう。

それでいい。

身体がドロドロになり一心に溶け合う様なセックス。

覚えてないな。

金曜日に酔わせてセックスをするよりも、テキスト上の会話の方が何倍も本来の人間的、感情的なセックスに近い様に感じる。

テキスト上のふくよかな女体を感じ、喉にくるタールの重さで前戯をし、ヤニクラでイく。

何度も読み返しては文字の波とセックスを繰り返す。

もう最後の一本。

買いに行かなきゃな。