　その日、ソフィエス社会主義共和国連邦は、全世界に向けて発表した。

　史上初の大気圏外有人飛行１０８分の成功と、飛宙士の名を。

　数日後、首都ツェントルにおいて帰還した飛宙士を称えるパレードが催された。

　その最中、とある出来事が起こる。結果、飛宙士の名は変わり、複数になった。

　その二人が誰と誰なのかは、ここで記さずとも、分かるはずだ。

　彼と彼女は記録、記憶に残らずとも、わたしたちのなかに、生き続けているのだから。

　リーリヤ·リトヴァク·ダーチャ著『史上初の飛宙士（コスモナウト）たち』より

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