自作詩・西瓜

平易な言葉で具象的に描く。

抽象表現なしに詩を書くのをしばらくやっているのですが、これもそうですね。友人宅は素人大工の爺さまが建てたのですが、これがもう立ってたらわかるぐらいに傾いてきているという。そんな家で発想を得た作品です。

これは詩なの?と思われるかもしれないですが、なんとか詩にはなっている、はず。


『西瓜』


ぎっしりと実の詰まった

良い音がする西瓜を

土間に置いたらば

ゴロゴロ、転がっていってしまった

猫たちが追いかけてじゃれている


あぁ、この家あっちに傾いてんだな


母さんが去年も転がってたよ、と笑う

良く転がるもんだと

家を建てた大工の爺さんが感心している

バカやろー、と親父は叫んでる

とりあえず、みんな、西瓜を食おうか

八つ裂きで良いかと、ばあちゃん

包丁研いでいる


八人家族だかんな

去年とかわらずにね

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る