第3話


会いにくかった。当時16歳の娘を子どもができたから私に下さいと申し出るのだ。親なら絶対に許さないだろう。手汗を握り楓とともに雫の両親のもとに訪れると、[お父さん、]で相手から[お前からお父さんと言われる筋合いはねえ]と言われる。楓が[お母さんが会いたがっているの。パソコンのデータだけど]と言う。雫のお父さんは目の色変えて[どういうことだ?]と言うのでパソコンを雫のお父さんお母さんの顔認証をしてプログラムが起動する。[お父さんお母さん、ごめんなさい。でも私は幸せでした。病気になったけど夫の大輔は付きっきりで看病してくれたし、最初は不良ぽかったけど子どもができたらあんなに必死で働いて。あの大輔さんが絵本出版社の営業よ。頑張ってるんだから。許してあげて。]雫は病室の部屋で作ったプログラムなのか画面には髪の代わりに毛糸の帽子をかぶった姿だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る