舞う花びら、堕ちる花びら。

薄紅 サクラ

第1話 舞う、花びら。

 運命の出会いとはなにか。

 きっとそれは、この事を言うのだろう。



 あの人との出会いは、偶然の産物。

 用事があって、外に出ていたときのこと。

 あの人を人目見たとき、景色がキラキラと輝いた。

 自分のなかのなにかが、風に吹かれたように舞い上がった。

 周りの景色が、一気に色鮮やかに変わっていった。

 キラキラと、あの人の周りに星が現れた。



 その姿に、目を放せなくて。


 もっと、あの人を見ていたくて。


 キレイだと、話がしたいと思って。



 顔が紅く染まっているのにも気づかずに、ただただずっと見ていた。

 そのあと、あの人が去っていってもまだ、その場所から動けなかった。





 今抱いているこの気持ちが・・・『―コイ―』だと気付くのに、そう時間はかからなかった。

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