第56話 『電車』 その2
座席は、まるあき状態です。
座ると同時に、電車は走り始めます。
とくに、衝撃もなく、加速の変化も感じられず、ただ、会長さんが可愛らしく太い胴体の横で手を振り、あの、悪魔のような首さんが、これまた天使のように微笑んだのは、わかりました。
走り出すと同時に、目の前に、小さな掲示板が現れました。
『当電車は、遠距離ラインです。現在、閑散時運行モード時間です。通勤ラインは、次の、『ナハ中央』で、お乗り換えください。座席は自由席です。運行ルートを表示します。ご希望の降車地点をお知らせください。個人番号入力後、決定を押してください。アラームがご希望のかたは、選択してください。運賃は、体内チップにて、清算いたします。』
『『ナハ中央』て、侵入禁止地域じゃない、まあ、と、言われましても、どこにどう行けば良いのか。肝心のことがわからないわ。なになに、『カゴシマ』『フクオカ』………みな、滅亡した都市だわ。『キョウト』『トウキョウ』か。降りてはみたいわね。いにしえの、世界最大級の都市遺構がある。まだ、放射線まみれだけど。でも、今回の最終目標は、『真の都』なんだけどな。うーん、ないなあ。ま、そう簡単には見つかる訳がない。』
私は、『運行経路』を眺めていました。
それから、画面の……
『検索』
に、タッチ。
『『真の都』に行きたい。』
と、入力いたしました。
『・・・・・・😠💨・・・・🚃💨』
と、いう、表示が三回流れたあと、回答が来ました。
『この電車は、まいりません。『中央基点』で、お調べください。『中央基点』に行くには、『北極点ステーション』から、『次元トンネル線』に乗り換えが必要です。』
『え、そりゃあ、まずかないかなあ。という、か、やった、大当たり。ラッキー😃💕やはり、『真の都』が、キーワードか。』
『次元トンネル線』は、別名『幽霊線』です。
誰が管理しているのかも分からず、うっかり、入り込むと、『脱出不可能』と言われます。
調査に入った政府のエージェントは、何人もいますが、なぜか、戻ったものは皆無です。
そこらあたりは、『途切れた歴史』、の一部で、資料が一切ありません。
つまり、現在の地球政府の管轄外でありまして、うっかり、関与できない、『絶対禁断地帯』の内部なのです。
そうして、それこそ、私の、目標なわけです。
『なんだ、意外と簡単に見つかりそうじゃございませんの。』
まさか‼️
そう簡単にゆくならば、エージェントたちは、みな、『真の都まんじゅう』や、『真の都ばなな』を持って帰ってきたはずです。
誰も帰って来なかったのですから、どこかに、巨大な、落とし穴が、あるはずです。
電車は、ちらちらと、一定間隔で、ライトが灯る地底を走り抜けます。
『わたくし以外は、だれも、いない・・・か。』
と、思っていたら、それは、すぐに、間違いだとわかりました。
最初は、ぼや〰️〰️と。
やがて、はっきりと、なんと、こんどは、幻影ではなく、本当に、乗客の姿が、浮かび上がってきたのです。
『ついに、でたか、異界のものたちよ。すなわち、ゆうれいさん‼️そうこなくては。ゾンビで、おしまいでは、ホラーに、ならないわ。』
・・・・・・・・・・・・・・ 🚇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます