第3話 『合格と出発その1』
それから、三日後、ずいぶん早かったのだが、電話が入った。
「ああ、あなた、合格です。あす、9時に出社出来ますか?」
地球事務所長だった。
「え、はい。大丈夫です。ありがとうございます。」
「では、その時に、出発の段取りなどしましょう。身支度の用意を始めていてください。」
「わかりました。」
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「連絡しましたよ。」
「いいわ。帰る便で、いっしょに連れて行くから。」
「はあ、えらく、お気に入りですな。」
「ふふふ。まあ、試験は100点。あの問題で最後まで全部解いた人は初めてよね。」
「まあそうですが。しかし、出来すぎですよ。そこまでの仕事は求めてないですから。」
「あら、よく出来ることは良い事よ。あなた、ご自分の地位が危ないとか思う?」
「いやいや、そりゃあもう、あなたのご判断ですよ。」
「ふうん・・・。まあ、いいわ。でも、集めた資料から言っても、あの『ぎー・ぴー・えす会計』に以前勤めていたし。優秀なのは確かね。でも、精神的に弱いところがある。とね。そこが、魅力ね。」
「そう・・・ですか。」
「そうなの。かわいいわ。妹にしたいくらいね。実際、かわいいでしょう?」
「たしかに、肉体労働向きじゃない。」
「もちろんよ。」
「でも、社長、注意はしてくださいよ。最近当局は政権が代わって以来、必ずしもこっちに好意的じゃないですから。あの首相は、独裁者志向ですよ。」
「ふうん。それも、わかってる。招待の件はどうなの?」
「前向きに考えるとは、言って来てます。どうやら、資源惑星には興味がおありのようですなあ。」
「できるだけはやく、実現させましょう。組合長にももっと働きかけて。」
「了解。特別会費の払い込みはしました。」
「それでいいわ。ああ、じゃあ、南アメリカ国の首相に会うから。」
「ええ、車待たせております。」
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