増えていく

ごんべえ

第1話

 僕は実際のところ物を所有することが好きではない。

 そう言ったところで誰も信じてはくれないけれど。

 僕の部屋には何時だって女の子が好きそうな縫いぐるみやら漫画雑誌が溢れている。

 もう一度繰り返すが僕は物を所有することがあまり好きではない。

 気が付くと部屋に見知らぬ物が増えているのだ。

 まあ、誰の仕業なのかは知っているけれど。

 僕は机の上においてある連絡用のノートに彼女への文句を書き付ける。

 すると、ごめん。可愛かったから、つい、と僕の気が付かないうちに新たな文字が書き加えられている。

 気分転換に出かけることにする。

 

「雪華。また変なの買ってこないでよ」


 出かけるときに母に声を掛けられる。

 だから、僕じゃないってのに。

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増えていく ごんべえ @0831

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