ネタバレ

「あっ!その本面白いよね!最後に主人公が犯人だった大親友を追い詰めるとことか最高だよ!」

「ちょっと、まだ第1章しか読み終わってないのにそれ言っちゃう?」

「だって面白かったから!恋人を取られたとかいう動機はありきたりだけどさ」

「いやいやいや、大事なところ言わないでよ。いくらあたしとあんたが幼馴染だからって小説のネタバレをしていい理屈は無いと思うのだけれど」

「えー、そんなに嫌なの?結末とか気にならないの?」

「じっくり読んで楽しみたいの。先に何が起こるか今わかったら面白味がないじゃない」

「うーん、分からないなあその感覚」

「まったく、この感じとあんたは死ぬまでその調子みたいね」

「何よ、まるで私が死んじゃうみたいな言い方」

「いやいや、余命半年の人が吐くジョークにしちゃ笑えないわよ」

「え」

「母さんから聞いたけど、あたしは知らないフリとかできない性質だから。もうどうしようもないから治療もしてないんだって?こうやって話してるとあんまり感じないけど、あんたも大変よね」

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