悪魔が去って
こたつむりという言葉をご存知だろうか。
要するに炬燵に潜り込んだ姿が、まるでかたつむりみたいに見えるからである。
寒い季節になると、炬燵から出るのもつらくなるのは誰しも容易に想像できると思われるが、実はすべての炬燵に悪魔が潜んでいる。
この悪魔というのがかたつむりの精というのだから驚きだ。一度炬燵という名の殻を装備してしまうと、切り離すのが困難になるのもこいつのせいである。
その力は強大だが、最近はこの存在が忘れられつつある。恐れをなした人類が、なんとか逃れようと知恵を振り絞った結果生みだされたのが床暖房なのである。
動きを封じられる炬燵に比べると、そのような制限のない床暖房は悪魔の囁きに誑かされることもなくなり、以前より人は活動的になった。
直接床に寝そべってしまうという副作用を伴って──
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